
人間が動物として本来持っている〝感〟という本能が、退化している。
インターネットによって、地球上のほぼあらゆる情報が検索できる時代がきて、感に頼るよりは、スマートフォンに頼った方がいい、という生活習慣になってしまった。
こんなことを考えていたら、久しぶりにスピリチュアル研究者の秋山先生から電話があった。折角だから、同じように、目に見えるものよりも人間の直感を大切にして診察をする順天堂大学病院の齋田先生と、皆で〝直感〟についての会議をした。
目の前の小さな出来事が、実は地球全体の大きな変化に関するものかもしれない。それによって我々人類全体の傾向さえも考えることができる。少し神経質に自分の直感を信じることで、あらゆる事象は何かの理由があって、それが想像以上に大きな問題の発露となっていることに気づくかもしれない。
20世紀は、科学の時代で、いわば数字が人類を動かした時代であった。しかし、今世紀は、数字で証明できなかった、いうなれば、〝不可解な事実〟を探究し、共有する時代に入ったのではなかろうか。
私が以前いた会社は、所在地と住所にこだわり、銀座8丁目に本社ビルを建てた。戦後、学生時代に創業した会社は、高度経済成長の下で事業を拡大し、今や売上3兆円を超える大企業となった。
その経営者は、起業の天才ともいわれるが、その成功の秘密は、直感型の経営にあったと思う。直感型の経営が、連々と成功を収めるためには、売上高が伸びるごとに従業員が肥大化しても、末端の社員まで、経営者と同じ店舗で動くマネジメントとそのためのスピードが要求される。
世界四大風水師といわれるレイモンド・ロー先生が、少し体の調子を壊したので、久しぶりに香港にお見舞い電話をした。ロー先生は、人生の99%は人との出会い、そして、その人と会うための場所で決まる、と話している。才能や努力は、人生においてさほど大した問題ではなく、誰と出会うかが、一番大きな成功の秘訣である、とのこと。したがって、どの時間に、どんな場所にいるかが人生を決定づけるということにもなる。
さて、今日出会う人がどんな人であろうが、その人が人生を運命づけるかどうかは、やはり直感で選択するのではないかと思う。
目の前のスマートフォンに追われていると、人間を見る目が養われない。