年が明けても、どこか落ち着かない世の中が続いている。
気分転換にビルの谷間にある行きつけの喫茶店で小さな“ロマンティズム”を探している。村上春樹氏のエッセーを緩やかに開いた。不思議と“エキゾチック”な気分になる。遠くで、この街の景色を変えるような高層ビルの建築ラッシュが続いている。そのためか、地盤を固めるための重低音の振動が足元を揺らしている。窓際に咲いているサボテンの花びらも、やがてビルの影に隠れて、黒ずんでくるのだろうか。
政治家はどこまでいっても、日本をよくするための仕事をしてくれない。選挙制度を今すぐに根本から改革する時期が来ている。
まずは派閥政治を解体、さらに衆参両議員の数を減らし、彼らの給与(つまり税金)を見直す。こうした仕組みを、“若い力”で産み出して欲しい。
今回の事件で、2万円のパーティー券を買った企業側にも大きな問題がある。おそらく、政治家がちらつかせる予算に群がる大手ゼネコンや通信会社など、既得権をいまだに貪っている企業の名前がぞろぞろと連なっていくのであろう。
政党のパーティーを材料にして政治家に現金を配っているという簡単な賄賂の構図だ。従って、政治家はパーティー券収入の所得税も取られなければ、贈賄罪で逮捕されることも多分ない。政治家ではなく「政治屋」が、選挙資金目当てで現金を集め、余ったお金をポケットに入れている。
同世代の友人と話をしても、過去の思い出話ばかりで元気が出てこない。若い人と話をしていると(彼らも気を遣うのであろうが)、こちらが話を合わせることになるので、面白くない。個性的な意見を自然に語り合える人は、そう何人もいるはずがない。
何人かの仲間が突然旅だったのだが、この年回りになると、話友達が入院したり、いなくなったりするのも自然現象の一つだと思っている。
村上春樹氏のエッセーによると、犬よりも猫の方がいつも何かを話していると感じるという。猫が旅立つ時には、気楽な感じで「じゃあ、いってきます」と言って、世の中からいなくなるそうだ。
欲にまみれて、権力とお金にしがみついている政治家たちも、猫に学んで、派閥に執着しない品のいい淡白な人間になってほしいと思う。
