消化器内科とは?
「消化器内科」とは、食べ物の消化・吸収に関わる臓器すべてを診る診療科です。
消化器に不調が起こると腹痛、吐き気、食欲の低下、お腹が張った感じ(膨満感)、下痢、便秘などさまざまな症状が現れます。ひとつひとつは「ありふれた症状」であるため、症状からは、消化器のどの臓器に異常があるかは判断できません。そのような症状がどうして起こっているのか、また、どの臓器に異常があるのかを、内視鏡検査、超音波検査、CT検査など複数の検査で、総合的に判断します。
消化器とは?

「消化器」とは、食べたり飲んだりした物を体に取り込み、栄養として使えるようにする働きを持つ臓器の総称です。具体的には、食べ物の1本の通り道である消化管(口・食道・胃・小腸・大腸など)と、消化・吸収の働きを補助する臓器(肝臓・胆のう・すい臓など)があります。
消化器内科で診てもらえる主な臓器と代表的な病気
消化器内科では、食べ物の栄養分が消化・吸収される通り道「消化管」と、消化・吸収の働きを助ける臓器を専門に診察します。主に次のような臓器を診ます。
口
食べ物を取り入れる入口です。口の中を潤す唾液は、消化を助ける上で重要な働きをしています。口の渇きや違和感がある時、消化器内科では臓器に異常がないかを調べます。消化器以外の臓器に問題があると判断した場合は、その臓器の専門診療科へ紹介します。
食道
口から飲み込んだ食べ物を胃まで運ぶ臓器です。長さは約25センチほどあります。全体が筋肉でできており、食べ物が入るとミミズのように動いて食べ物を胃の方へ送り出します。食道の異常を疑う症状として、「飲み込みにくさ」「胸やけ」「胃酸が上がってくる感じ」「食べ物のつっかえ感」があります。また、意外なところでは、「声のかすれ」「咳」「胸・背中の痛み」があります。
胃
食道から送られてきた食べ物を一時的に溜め、胃液と混ぜ合わせてドロドロにします。これによって体に吸収されやすくなります。胃の働きに問題があると、「胃もたれ」「吐き気」「胃痛」などが起こることがあります。
十二指腸
胃と小腸をつなぐ消化管の一部です。胃で消化された食べ物に、消化液を混ぜ合わせ、吸収を促進させます。
小腸
胃で消化された食べ物をさらに分解し、栄養や水分を体に取り込む役割があります。消化管の中でも「栄養の吸収」という中心的な働きをするのが小腸なのです。小腸の働きが悪くなると、「下痢」「便秘」「腹痛」「お腹が張った感じ(膨満感)」が起こりやすくなります。また、小腸の異常では栄養の吸収が滞るため、「体重減少」「全身の疲労感(全身倦怠感)」「貧血」などが現れることもあります。
大腸
小腸で吸収されたあとの食べ物の残りかすから水分を吸い取り、便として固めます。「便秘」「下痢」「いつもと違う便の色(赤っぽいなど)」といった症状が、大腸の異常を疑うサインとなります。
肝臓
主な役割は3つあります。まず、食べ物の栄養分などを体内で利用できる形にします(代謝)。次に、アルコールや薬、老廃物などの有害な物質をからだに影響を与えないよう無毒化します(解毒・分解)。さらに、食べ物の消化に必要な胆汁を作り出します。肝臓は、異常があっても症状が現れにくい臓器です。ただし、肝臓の病気が進行すると、「全身の疲労感(全身倦怠感)」「吐き気」「顔や白目が黄色っぽくなる(黄疸)」「むくみ」などが現れます。
胆のう
肝臓で作られた「胆汁」という消化液をためておく袋のような臓器です。胆のうの異常による主な症状としては、「腹痛(特に右上腹部)」「吐き気」「発熱」「顔や白目が黄色っぽくなる(黄疸)」などがあります。
すい臓
主な役割は2つあります。まず、食べ物の消化を助ける膵液を分泌します。次に、血液中の糖分の量を調節するホルモン(インスリン)を分泌します。すい臓の異常を疑う症状としては、「腹痛」「顔や白目が黄色っぽくなる(黄疸)」「食欲の低下」「糖尿病の発症・悪化」「便の色が白っぽくなる」があります。
消化器内科で診てもらえる代表的な病気

消化器内科では、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆のう、すい臓などの臓器に起こる病気を診ます。消化器内科でよく診る代表的な病気をいくつか紹介します。
胃食道逆流症
胃の中で分泌される消化液(胃酸)を多く含む胃の内容物が食道に逆流する病気です。主な自覚症状は、「胸やけ」「口や喉に酸っぱい、または苦い感じがこみ上げてくる症状(呑酸=どんさん)」です。胃食道逆流症のうち、内視鏡検査で食道の粘膜に異常が見られるものを「逆流性食道炎」といいます。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃やその下にある十二指腸の粘膜に傷ができる病気です。特によく見られる自覚症状は「みぞおちの痛み」です。胃潰瘍では食事中から食後に、十二指腸潰瘍では空腹時に痛むことが多いです。
過敏性腸症候群
腸そのものには目に見える異常がないのに、腸が正常に機能しないことで、便秘や下痢、腹痛などの症状が続く病気です。ストレスや生活習慣が影響することが多いと言われています。
大腸がん・胃がん
大腸や胃にできるがんです。血便、体重減少、食欲の低下などの症状が出たら要注意です。消化器内科では大腸がん、胃がんの診断、抗がん剤の治療などを行い、手術が必要な場合は消化器外科へ紹介となります。
脂肪肝・肝炎・肝硬変
いずれも肝臓の病気です。肝臓に脂肪が過剰に蓄積された状態が長期間続くと、やがて肝臓に炎症が起こる肝炎に進行し、さらには肝臓が硬くなり本来の役割を果たせなくなる肝硬変に至ります。肝硬変になると、肝臓がんのリスクが高くなると指摘されています。
胆石症
胆のうや胆管に「石(結石)」ができる病気の総称です。結石が発生する場所によって、胆のう胆石、胆管胆石、肝内胆石と呼ばれます。頻度が高いのは胆のう胆石になります。
すい炎
すい臓が自分の消化液で炎症を起こす病気です。急性で起こる急性すい炎と、長期にわたるアルコール摂取や胆石などで起こる慢性すい炎があります。
消化器内科で扱う主な症状
消化器内科で扱う主な症状には、日常的によく経験するものが多くあります。数日間続く場合は、「様子見」をせずに消化器内科で一度相談することをお勧めします。
腹痛・胃痛
消化器内科では、腹痛・胃痛は比較的多い訴えです。腹痛・胃痛の中でも「みぞおち(胸とお腹の間)がきりきり痛む」「背中に響くような腹痛がある」「みぞおちから上腹部にかけて痛む」「腹部がチクチク痛む」などさまざま。また、腹痛が起こるタイミングも、空腹時、食事中、食後、1日中など分かれます。受診時には、「どのような」「いつ」「どれくらい」などを伝えると、よりスムーズな診察になるかもしれません。
膨満感
お腹が張ったような感じ、と表現されることが多くあります。「お腹が張って苦しい」「お腹が重い」といった時は消化管にガスがたまっている場合が、「胃が重苦しい」「胃に不快感がある」といった時は胃の働きが低下している場合が、それぞれ疑われます。
胸やけ
胸のあたりが焼けるように熱く感じる症状です。胃食道逆流症などが疑われます。この場合、喉の違和感や咳が出ることもあります。
吐き気・嘔吐
何となく気分が悪くなったり、実際に吐いてしまう状態です。消化器の異常のサインとして非常に重要になります。
食欲の低下(食欲不振)
あまり食べたくない、食べてもすぐに満腹になるといった状態です。疲れていたり、ストレスがあったりすると、食欲の低下を感じることはだれでもあるかと思います。しかし一時的なものではなく、継続する場合は、消化器内科で一度検査を受けることをお勧めします。
便秘
便を十分に、かつ快適に出しきれない状態が続く場合は、消化器内科へ相談することをお勧めします。排便回数は個人差があるため、「何日出なかったら」といった明確な定義はありません。毎日排便をしていてもスッキリせず、お腹が張った感じがあるようなら、治療の対象になる可能性があります。
下痢
水のような便が続いたり、急にお腹を下したりする症状です。検査をして、腸に異常が見つからない場合は、過敏性腸症候群としての治療が検討されます。
血便
便の色がいつもと違う、と感じた場合、もしかしたら血便かもしれません。血便は、出血している消化器臓器の場所によって、真っ赤な血が混じる便の場合もあれば、黒っぽい便、血便と判断しづらい色の便があります。血便ではありませんが、白っぽい便では、すい臓の異常も疑われます。
黄疸
皮膚や白目が黄色くなる症状です。黄色い色素「ビリルビン」が体内にたまることで起きます。肝臓、胆道、すい臓などの病気が原因になることが多いです。「顔や白目が黄色っぽくなる」と感じたら、速やかに消化器内科を受診しましょう。
消化器外科・内科・胃腸科・大腸肛門科との違い
消化器内科と消化器外科は何が違うのでしょうか? また、内科、胃腸科、大腸肛門科でも、消化器の病気を診てもらえるのでしょうか? 特徴をそれぞれ説明します。
診療科紹介表
診療科名 | 対象となる主な部位 | 主な疾患・症状例 | 特徴・役割 | 対象例(こんなとき相談) |
---|---|---|---|---|
消化器内科 | 食道、胃、小腸、大腸、肝臓など | 胃炎、逆流性食道炎、肝機能障害、便秘など | 内科的な診断・治療(薬物治療や内視鏡検査など)を行う | 胃がムカムカする、便が出にくい、健康診断で肝機能が指摘された |
消化器外科 | 胃腸、肝臓、膵臓、胆のうなど | 胃がん、大腸がん、胆石症、虫垂炎など | 外科的な治療(手術)が必要な病気に対応。がん治療なども対応 | 腹痛が強い、手術が必要と診断された場合 |
胃腸科 | 胃・腸 | 胃もたれ、下痢、便秘など | 消化器内科とほぼ同義。開業医での表記が多い | 食べすぎ、消化不良、慢性的な便秘など |
大腸肛門科 | 大腸、肛門 | 痔、血便、肛門周囲膿瘍、大腸ポリープなど | 肛門周辺の疾患や大腸疾患に特化。内視鏡検査も対応可能 | 排便時に出血がある、痔が痛む |
内科 | 全身(特に急性の軽症症状) | 風邪、高血圧、糖尿病、インフルエンザなど | 幅広い症状に対応。初診の窓口としても機能 | 発熱がある、体調が悪いけど原因が不明 |
消化器外科
消化器外科は、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆のう、すい臓など消化器の臓器に対して手術をメインに行う診療科です。手術で治療ができる消化器の病気が対象となるため、消化器内科と比べて、扱う病気の範囲が狭くなります。一般的に、消化器内科と消化器外科は連携して治療にあたります。たとえばがんでは、消化器内科で各種検査をして病名を診断し、手術が必要な場合は消化器外科で治療。手術後、抗がん剤など化学療法も必要となった場合は、消化器内科で継続的に治療を行います。
胃腸科
胃腸科の正式名称は「消化器内科」です。医療機関によっては、「消化器内科」とほぼ同義で使われています。実際、胃腸科と消化器内科は同じ診療内容を扱う場合が多く見られます。ただし、胃腸科では、肝臓、胆のう、すい臓など胃・腸以外の消化器臓器には対応できないこともあります。
大腸肛門科
大腸肛門科は、大腸・直腸・肛門の病気に特化した診療科です。痔や肛門周囲膿瘍、大腸ポリープ、直腸がん、排便障害などの治療を専門にしています。肛門診察の専門性が高く、消化器内科では対応しきれない症状も診ることができます。消化器内科でも大腸の病気を診ますが、肛門に関する病気の診療は大腸肛門科のほうが専門性が高いと考えるといいでしょう。
内科
内科は風邪、インフルエンザ、発熱、腹痛などよくある症状や疾患に対応します。内科の中でも、消化器の臓器に特化した診療科が消化器内科となります。不調が続いているがどの診療科を受診したらいいかわからないという場合は内科を、消化器の病気を疑った場合は消化器内科を、胃腸または肛門の病気を疑った場合は胃腸科または大腸肛門科を受診するといいでしょう。
受診のタイミングと流れ

受診のタイミング
腹痛や胃痛、膨満感、胸やけなどの症状は、比較的ありふれた症状です。そのため、受診をすべきかどうか迷うことも多いでしょう。「数日間続く」「繰り返す」「いつもと様子が違う」「程度が強い」といった場合は、念のため医師の診断を受けることをお勧めします。まずは、かかりつけ医に相談するのも一つの方法です。
また、便秘や下痢は、生活の質(QOL)を低下させます。「体質だから」と思っている症状も、薬や生活習慣の工夫で改善できることがあります。専門医へぜひ相談をしてみてください。
一方で、「急に体重が減った」「体がだるい・疲労感が続く」「顔や白目が黄色い」「血便らしき便が出た」といった場合は、緊急な治療が必要な病気が隠れているかもしれません。可能な限り早い段階で、消化器内科を受診することをお勧めします。
受診を検討した方がいい代表的な症状
・腹痛や胃痛が何日間も続いている
・食後の胸やけが頻繁にある
・みぞおちがキリキリ痛むことが頻繁にある
・背中に響くような腹痛がある
・口や喉に酸っぱい、または苦い感じがこみ上げてくる症状が頻繁にある
・日常生活に支障があるほど便秘や下痢がある
・水のような便が続いている
・便の色がいつもと違う
・急に体重が減った
・体がだるく、疲労感が続く
・顔や白目が黄色い
検査の流れ
消化器内科を受診した場合、症状によって違いはありますが、一般的には次のようなステップで進みます。
1. 問診
医師が症状を詳しく聞き取り、その情報をもとに、どの臓器に問題があるか、どんな検査が必要かを判断します。受診前にメモにまとめておくと、スムーズに情報が伝わるかもしれません。
・どんな症状があるか
・いつから症状が出ているか
・どのような時に症状が出るか
・食事や生活習慣、既往歴、服用中の薬 など
2. 視診・触診
お腹の張り、痛みの場所、硬さなどを確認します。腸が正常に動いているか、腫れやしこりがないかもチェックします。
3. 検査
血液検査、尿検査、画像検査が必要に応じて行われます。
4. 結果説明と今後の方針
検査結果をもとに、診断・治療方針が決まります。消化器内科の治療は、投薬、食事や生活習慣の改善がメインとなります。消化器内科以外での診療科の診断・治療が必要と判断されると、それに適した診療科へ紹介されます。たとえば、消化器内科で消化器のがんが判明し、手術治療となった場合は、消化器外科へ紹介されます。
消化器内科で行われる主な検査について

消化器内科で行われる検査について説明します。血液検査、尿検査・便検査は行われる機会の多い検査ですが、画像検査、内視鏡検査は必ず行われるわけではなく、症状に応じて、医師の判断で選択されます。
検査名 | 説明 |
---|---|
血液検査 | 感染症など炎症の有無、貧血、腎機能、糖尿病、コレステロール値、腫瘍マーカー(症状による)などを調べます。 |
尿検査/便検査 | 尿中の細胞・タンパク質・糖など、排便の中の血液の有無などを調べます。 |
腹部超音波(エコー) | 超音波を発信する装置を腹部表面に当てて、肝臓、胆のう、すい臓などの臓器を観察し、がん、結石、炎症などの異常がないかを調べます。 |
X線(レントゲン) | お腹の中の異常がないかを調べます。腹部の臓器の状態や、異常なガス、結石の有無、腸閉塞、虫垂炎、がんなどの有無がわかります。 |
CT検査 | CT検査は、X線を照射して体の部位を輪切りにして撮影する検査です。消化器内科でのCT検査は、消化管、肝臓、胆のう、すい臓などの状態を細かく観察したい時に行われます。CT検査で見つかる病気としては、脂肪肝、慢性肝障害、結石、すい嚢胞、がんなどがあります。 |
内視鏡検査 | 内視鏡は、先端にカメラが取り付けられた細長い管状の器具のことです。この内視鏡を口または鼻、肛門から挿入し、消化管の内部を観察するために行うのが内視鏡検査です。上部消化管内視鏡(胃カメラ)と、下部消化管内視鏡(大腸カメラ)があります。 |
上部消化管内視鏡(胃カメラ) | 内視鏡を口または鼻から挿入し、食道・胃・十二指腸の炎症やがん、ポリープなどを調べます。 |
下部消化管内視鏡(大腸カメラ) | 内視鏡を肛門から挿入し、大腸のポリープ、がん、潰瘍性大腸炎などを調べます |
よくある質問
Q.胃腸科と消化器内科の違いはなんですか?
A.「胃腸科」と「消化器内科」は、どちらも胃や腸の病気を診る診療科ですが、少し違いがあります。
まず「胃腸科」は、胃や腸の不調を中心に診る診療科です。たとえば、胃痛、下痢、便秘、食欲不振などの症状に対応します。胃と腸の病気は得意ですが、肝臓、胆のう、すい臓など胃腸以外の消化器臓器は不得意かもしれません。「胃腸科」は正式名称ではなく、本来は「消化器内科」が正しい名称です。
一方「消化器内科」は、消化器の臓器全般(食道・胃・小腸・大腸・肝臓・胆のう・すい臓など)を対象に、内視鏡検査や専門的な診断・治療を行う診療科です。総合病院などに多く見られます。
Q.生理中でも尿検査を受けられますか?
A.生理中でも尿検査を受けることは可能です。ただし、生理の血液が尿に混ざってしまうと、尿検査の結果に影響を与える可能性があります。そのため、生理後に再検査が必要となる場合もあります。可能であれば、生理が終わってから検査を受けるのが理想的です。検査前に医療機関に相談すると、より適切な対応ができます。
Q.内視鏡検査は保険適用されますか?
A.内視鏡検査は、症状があって原因を調べるために行われる時は保険適用となります。しかし、健康診断や人間ドックなどで行われる時、つまり症状はないが病気がないかを調べるために行われる時は保険適用とならず、全額自己負担となります。自己負担の際の費用は、医療機関によって異なります。
Q.胃カメラと内視鏡検査は違う検査ですか?
A.現在は、胃カメラと内視鏡検査(上部消化管内視鏡)は同じ検査を指しています。
最初に開発されたのは胃カメラです。写真撮影のみができ、胃の中をリアルタイムで観察することはできませんでした。その後、技術の進歩で内視鏡が開発されました。内視鏡には光ファイバーやカメラが取り付けられており、胃の中をリアルタイムで観察できます。
内視鏡の普及によって胃カメラは使われなくなり、現在、胃カメラは内視鏡の通称として用いられています。
Q.胃カメラ・大腸カメラの痛みやつらさを軽減する方法はありますか?
A.胃カメラや大腸カメラは独特のつらさがあることから、敬遠する方が少なくありません。しかし現在は、どちらの検査も鎮痛剤の使用によって痛みやつらさを軽減することができます。検査を受ける前に一度医師に相談をすることをお勧めします。ただし、内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)の時に鎮痛剤の使用をできるかどうかは、医療機関によって異なります。また、鎮痛剤には副作用もありますので、十分に考慮の上、決めることをお勧めします。
消化器内科を受診する際の注意点
消化器内科を受診する際には、スムーズに診断に至るために、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
まず、病院やクリニックによっては「完全予約制」としているところがあります。事前に電話やインターネットで確認することをお勧めします。特に内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)を希望する場合は、検査前に診察が必要なことが多いため、予約の際にその旨を伝えておくとスムーズです。
次に、食事については、当日に内視鏡検査などを受ける可能性がある場合、前日21時以降は絶食となります。大腸内視鏡検査ではより厳格な食事制限となります。必ず受診前に確認しましょう。水分に関しては、水、薄いお茶などの飲み物を取る分には問題ありません。ただし、牛乳やジュース、コーヒーなどは検査に影響を与えますので摂取しないようにしてください。
そして、服装については、体を締め付けないゆったりとしたもので、脱ぎ着しやすい上下に分かれたものがお勧めです。ガードルやボディスーツなどは避ける方が良いでしょう。
さらに、普段飲んでいる薬やサプリメントがある場合は、必ず医師に伝えましょう。診察室に入ると、緊張で薬の名前を忘れたり、伝えたいことの半分も伝えられなかったりということはよくあります。服用している薬、症状の詳細な内容、不安内容や相談内容をメモして持参すると、医師に伝えやすくなります。準備を整えておくことで、より正確な診断とスムーズな受診につながります。
医療機関ごとに受診する際の注意点や準備しておくべきことが多少異なります。ホームページで確認し、不明な点は電話で問い合わせておくと安心です。
まとめ:消化器内科は「消化器の総合窓口」
消化器内科は、食道・胃・小腸・大腸・肝臓・胆のう・すい臓などの消化器臓器を対象とする診療科です。胃や腸の病気に特化した胃腸科、肛門に関する病気を専門とする大腸肛門科がありますが、どの診療科を受診するか迷った場合は、消化器の臓器全般を診る消化器内科を受診するといいでしょう。いわば消化器内科は、消化器の総合窓口のようなものです。
消化器内科で扱う症状としては、腹痛、胃痛、膨満感、胸やけ、吐き気、便秘、下痢などがあります。これらはありふれた症状のため、受診をためらうかもしれません。しかし、繰り返し見られる場合や、いつもの症状と違うと感じた場合は、消化器内科を受診し、原因を調べましょう。一方で、血便や黄疸といった速やかな受診が推奨される症状もあります。
消化器内科では、初診では問診、視診、触診を行い、血液検査や尿検査、必要に応じて画像検査や内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)などを行います。受診時は予約が必要な場合もあり、また、検査内容によっては絶食などの指示もあります。詳細は医療機関によって異なるため、事前に確認をすることをお勧めします。