内視鏡検査後、何を食べたらいいか迷っていませんか?
検査後の食事は、速やかな回復のためにとても重要です。実は、うっかりNGフードを食べてしまうと、せっかくの検査が台無しになってしまうことも。
この記事では、検査後すぐに食べられてお腹にも優しいおすすめ料理から、絶対に避けるべきNGフードまで、検査後の食事について詳しく解説します。具体的な食事例やレシピも紹介するので、安心して検査後の食事を楽しめるよう、ぜひ参考にしてみてください。
内視鏡検査後、その日から食べられるおすすめの食事5選

内視鏡検査後すぐに食べられて、お腹にも優しいおすすめの食事を5つご紹介します。消化の良いものを選んで、ゆっくりと体を休ませていきましょう。
おかゆ
おかゆは消化がとても良く、内視鏡検査後のデリケートな胃腸に負担をかけません。普通のご飯と比べて、水分を多く含んでいるため、水分補給にも効果的です。お米を原料としているため、エネルギー源となる炭水化物も摂取できます。
消化器系の負担を最小限に抑えたい検査直後には、特に最適な食事と言えるでしょう。
うどん
うどんは柔らかく茹でることで、さらに消化が良くなります。温かいだし汁と一緒に食べると、お腹を温めて体をリラックスさせる効果も期待できます。冷たい麺類は胃腸に負担がかかりやすい場合がありますが、温かいうどんは内視鏡検査後でも安心して食べられます。
薬味は刺激になる場合があるので、ネギや生姜などは控えめにするのがおすすめです。消化の良さと体の温まりやすさを考慮すると、内視鏡検査後の食事としてうってつけです。
豆腐
豆腐は高たんぱく、低脂質で消化にも良いのが特徴です。冷ややっことしてそのまま食べたり、湯豆腐にしたりと、様々な調理法で楽しめます。内視鏡検査後の疲れた体にも、手軽に栄養を補給できるおすすめの食品です。
絹ごし豆腐はより滑らかで消化しやすいので、検査後は特に適しています。木綿豆腐の場合も、温めて提供することで消化が促進されます。栄養価が高く、消化にも良い豆腐は、内視鏡検査後の回復期に理想的な食品といえるでしょう。
白身魚
白身魚は脂質が少ない点が特徴です。特に、鱈や鯛などの白身魚は、消化が良く、内視鏡検査後の食事に適しています。
蒸したり、煮たりすることで、より柔らかく食べやすくなります。
胃腸の粘膜が敏感になっている可能性があるため、揚げ物は避け、胃腸に負担をかけないように配慮することが大切です。白身魚は良質なタンパク質源でもあり、検査後の体力の回復にも欠かせません。
鶏むね肉
鶏むね肉は、高たんぱくで低脂肪な食材です。内視鏡検査後の体力の回復にも役立ちます。油を使わずに茹でたり蒸したりすることで、より消化しやすくなるでしょう。
皮を取り除くことで、さらに脂質を抑えることができます。消化の良い調理法を選ぶことで、検査後の胃腸にも優しく、効率的にタンパク質を摂取できます。
内視鏡検査後、避けるべきNGフード7選

検査後すぐは何でも食べていいわけではありません。検査中は内視鏡を挿入するために、食道、胃、腸などの消化管を広げたり、時には組織を採取したりするため、少なからず粘膜に負担がかかっています。
そのため、しばらくの間は消化の良いものを中心に、胃腸を労わる食事を心がける必要があります。
検査後のデリケートな胃腸にとって、負担となる可能性のある7つのNGフードについて、詳しく解説していきます。
アルコール
検査後、アルコールは絶対にNGです。アルコールは胃腸の粘膜を刺激し、炎症を起こしやすくします。
内視鏡検査後は、少なからず粘膜に負担がかかっており、刺激に敏感になっています。そこにアルコールが入ると、炎症が悪化したり、出血のリスクが高まったりする可能性があります。
また、アルコールは、検査で切除したポリープなどの傷の治りを阻害する可能性も懸念されます。検査当日はもちろんのこと、数日間は控えるようにしましょう。どうしても飲みたい場合は、医師に相談してから判断してください。
カフェイン
コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインも、内視鏡検査後は避けるべきです。カフェインには胃酸の分泌を促進する作用があり、胃腸への刺激につながります。
検査後の繊細な状態の胃腸では、胃の不快感や痛み、吐き気などを引き起こす可能性があります。カフェインレスの飲み物や、麦茶、ハーブティーなど刺激の少ないものを選びましょう。
炭酸飲料
炭酸飲料も、検査後に飲むのはNGです。炭酸ガスは胃腸を膨張させ、お腹の張りや不快感を引き起こすことがあります。
内視鏡検査後はお腹が張っている場合もあり、さらに炭酸飲料を摂取すると、その症状を悪化させる可能性があります。また、多くの炭酸飲料には糖分が多く含まれており、これも胃腸への負担となるため、検査後しばらくは控えましょう。
香辛料
カレー粉、唐辛子、わさび、コショウなどの香辛料は、消化管の粘膜を刺激し、炎症を悪化させる可能性があります。
内視鏡検査後の、刺激に敏感になっている胃腸には大きな負担となるため、回復するまでは避けるようにしましょう。カレーライスやキムチ、麻婆豆腐なども、香辛料が多く含まれているため注意が必要です。
脂っこい食事
天ぷら、揚げ物、ハンバーガー、ラーメンなどの脂っこい食事も、消化に時間がかかり胃腸に負担をかけるため、検査後は控えましょう。
脂質の多い食事は胃もたれや消化不良を起こしやすく、検査後の回復を遅らせる可能性があります。内視鏡検査後は、消化の良いものを少しずつ食べるように心がけましょう。
刺激物
香辛料以外にも、ニンニク、ネギ、ニラ、ショウガ、玉ねぎなどの刺激の強い食材も、胃腸への負担が大きいため、検査後は控えめにしましょう。
これらの食材は、消化管の粘膜を刺激し、炎症や痛みを引き起こす可能性があります。また、柑橘類やパイナップルなどの酸味の強い果物も刺激物となるため、注意が必要です。
食物繊維の多い食品
食物繊維は、通常であれば腸内環境を整え、便通を促進するなど健康に良い効果をもたらします。しかし、内視鏡検査直後は消化管を活発に動かし、負担をかけるため、控えた方が良いでしょう。
ごぼう、きのこ、海藻類、豆類など食物繊維の多い食品は、検査後数日間は控え、消化の良い食品から徐々に摂取するようにしましょう。食物繊維を多く含む食品は、消化に時間がかかるため、胃腸に負担がかかり、検査後の回復を遅らせる可能性があります。
内視鏡検査後の食事に関するよくある質問7選

内視鏡検査後、食事について疑問に思うことはたくさんあるかと思います。検査後の食事は、体への負担を最小限に抑え、速やかな回復を促す上で非常に重要です。
ここでは、患者さんからよく寄せられる質問にお答えし、検査後の食事に関する不安を解消できるよう、具体的な情報を提供いたします。
検査後、いつから食事を再開できますか?
検査後、食事を再開できるタイミングは、検査の種類(胃カメラか大腸カメラか)、鎮静剤の使用の有無、そして個々の状況によって異なります。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)の場合、鎮静剤を使用していない場合は、検査後1時間程度で食事を再開できることが多いです。ただし、のどの違和感や麻酔が残っている場合は、無理せず時間を置いてからにしましょう。鎮静剤を使用した場合は、完全に覚醒してから食事をとることが重要です。通常、覚醒までは1~2時間程度ですが、個人差がありますので、医師や看護師の指示に従ってください。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)の場合、鎮静剤を使用していない場合は、検査後比較的すぐに食事を再開できます。しかし、ポリープ切除などの処置を行った場合は、出血や穿孔(消化管に穴が開くこと)のリスクを避けるため、医師の指示に従い、数時間から1日程度食事を控える場合があります。鎮静剤を使用した場合は、胃カメラと同様に、完全に覚醒してから食事を再開してください。
いずれの検査においても、検査後は消化の良いものを少量から始め、徐々に食事量を増やしていくことをおすすめします。
検査後、どのくらいの期間食事制限が必要ですか?
食事制限の期間も、検査の種類、処置の有無、そして個々の回復状況によって異なります。
胃カメラの場合、通常は厳密な食事制限は設けられていません。ただし、検査後も胃の不快感や吐き気などが続く場合は、消化の良いものを中心に、刺激の少ない食事を心がけてください。症状が改善しない場合は、医師に相談しましょう。
大腸カメラの場合、ポリープ切除などの処置を行わなかった場合は、検査後すぐに通常の食事に戻せることが多いです。
しかし、処置を行った場合は、腸の粘膜を保護し、傷の治癒を促進するために、医師の指示に従い、1週間程度は消化の良い食事を摂る必要があります。この期間は、消化管への負担を軽減し、合併症のリスクを最小限に抑えるために重要です。
食事制限中は、先述した「避けるべきNGフード」を避け、おかゆ、うどん、豆腐、白身魚、鶏むね肉などの消化の良いものを中心に摂取するようにしてください。
検査後に手軽に食べられるコンビニ商品は?
普段自炊しない人や、時間がなくてコンビニで買ったもので済ませたいと考えている人もいるでしょう。検査後に手軽に食べられるコンビニ商品もご紹介します。
- おにぎり(塩・鮭など)
- おかゆ
- チキンサラダ
- 食パン
- ロールパン
- 味噌汁
- ヨーグルト
- バナナ
- ゼリー
- 蒸しプリン
フライドチキンやカップラーメンなど、胃腸への刺激が強いものは検査後には控えておきましょう。
検査直後〜数日間の食事の目安
検査直後から数日〜1週間後にかけて、何を食べてもいいのかの目安を見ていきましょう。
時期 | 食べられるもの |
検査直後〜当日 | ・おかゆ・おにぎり・食パンやロールパン・鶏むね肉や鶏ささみ・味噌汁(具は少なめ)・水やお茶・ゼリー・果物 |
翌日〜3日目 | ・うどん・そうめん・卵 |
4日目〜1週間 | ・サンドイッチ・具ありのスープや味噌汁・いつもどおりのご飯(様子を見ながら) |
これはあくまでも目安なので、胃腸の調子を見ながら適宜調整してみてください。
検査後、腹痛がある場合はどうすれば良いですか?
検査後、軽い腹痛や腹部膨満感を感じることは珍しくありません。これは、検査中に空気を注入したり、内視鏡や処置器具によって腸が刺激されたりする影響です。多くの場合、これらの症状は一時的なもので、時間の経過とともに自然に軽快します。
しかし、我慢できないほどの激しい腹痛、発熱、吐き気、嘔吐、血便などの症状が現れた場合は、検査による合併症の可能性も考えられますので、すぐに医療機関に連絡してください。迅速な対応が、深刻な事態を防ぐために重要です。
検査後、下痢が続く場合はどうすれば良いですか?
大腸カメラの検査では、検査前に腸内をきれいにするために下剤を服用します。そのため、検査後もしばらくの間は下痢が続くことがあります。これは正常な反応で、通常は数日で治まります。水分を十分に摂取し、脱水症状を防ぐように心がけてください。
しかし、水のような下痢が続く、便に血が混じる、発熱や腹痛を伴う場合は、脱水症状や感染症の兆候である可能性があります。速やかに医療機関に相談し、適切な処置を受けてください。自己判断で市販薬などを服用することはなるべく避けましょう。
まとめ
内視鏡検査後の食事について、消化の良い食品、避けるべき食品、よくある質問などをご紹介しました。検査後は、消化管が敏感になっているため、食事には特に気を配ることが大切です。
おかゆ、うどん、豆腐、白身魚、鶏むね肉といった消化の良い食品を選び、アルコール、カフェイン、炭酸飲料、香辛料、脂っこい食事、刺激物、食物繊維の多い食品は避けましょう。
検査後の食事に関する疑問があれば、医師や看護師に相談することが大切です。これらの点に注意して、検査後の体調を整えていきましょう。