内視鏡検査を受けるにあたって、「どの病院を選べばいいのか分からない」と悩んでいませんか?胃カメラや大腸カメラは、検査の内容もつらさも病院によって大きく異なるのが現実です。
鎮静剤の有無、医師の技術、設備の新しさ、口コミ評価、費用やアクセス――。どれも病院選びの大事な判断材料になりますが、何を基準に選べばいいか迷う方も多いはず。
この記事では、後悔しない内視鏡検査の病院選びに必要な5つの基準を、専門医の視点でわかりやすく解説。さらに、検査前の注意点や費用相場、検査後の流れなど、受診前に知っておきたい情報もあわせて見ていきましょう。
病院選びで失敗しないための5つのポイント
内視鏡検査では、適切な病院選びが、検査の成功、ひいてはあなたの健康にとって非常に重要です。検査の精度や快適さ、そして安心して検査を受けられるかどうかは、病院によって大きく異なります。
自分に合った病院を見つけるための5つのポイントを、内視鏡検査を専門とする医師の視点から解説します。
1. 専門医の在籍・実績を確認
内視鏡検査は、医師の技術力と経験に大きく左右されます。専門医の資格の有無は、その医師が一定水準以上の専門知識と技術を持っているかどうかの重要な指標となります。
「日本消化器内視鏡学会 専門医」や「日本消化器消化器内視鏡技師会 認定技師」といった資格は、厳しい基準をクリアした医師・技師にのみ与えられるものです。学会のホームページをチェックしたり、病院・クリニックのWebサイトを確認してみたりするのもいいでしょう。
また、病院の年間検査件数も参考になります。多くの検査実績を持つ病院は、それだけ多くの症例を経験しているため、様々なケースに対応できる高い技術力とノウハウが期待できます。
2. 最新設備の導入状況をチェック
内視鏡検査の技術は日進月歩で進化しています。最新の設備が導入されている病院を選ぶことで、より精度の高い、そして身体への負担が少ない検査を受けることができます。
例えば、ハイビジョン内視鏡は、従来の内視鏡よりも高画質で、より詳細な観察が可能です。鮮明な画像は、小さな病変も見逃すことなく発見するのに役立ちます。
また、経鼻内視鏡は、口から挿入するよりも苦痛が少ないため、嘔吐反射が強い方や、口からの挿入に抵抗がある方にとって大きなメリットとなります。さらに、検査中の苦痛を軽減するための鎮静剤を使用する場合は、安全性を確保するための適切な鎮静システムが導入されているかどうかも確認しましょう。
3. 検査費用と保険適用範囲を比較

内視鏡検査の費用は、保険適用の有無によって異なる場合があることも把握しておきましょう。
また、ポリープ切除や鎮静剤の使用など、追加の処置を行う場合は、別途費用が発生することがあります。
健康保険が適用される検査でも、医療機関によって費用が異なる場合があります。これは、検査に使用する機器や薬剤、検査方法などが異なるためです。
内視鏡検査は、保険診療だけでなく自由診療(保険適用外)として受けることも可能です。
自由診療では、特に不調がなくてもがんやポリープなどの早期発見を目的とした健康チェックとして、検査を受けることができます。
4. 口コミや評判を参考にする
インターネット上の口コミサイトや病院のホームページなどを活用して、他の患者さんの体験談や評判を参考にすることも有効な手段です。実際に検査を受けた方の感想は、病院の雰囲気や医師の対応、待ち時間など、病院選びの参考になる貴重な情報源となります。
口コミサイトでは、検査の痛みや不快感、医師や看護師の対応、検査結果の説明の分かりやすさなど、様々な情報を得ることができます。これらの情報を参考に、自分に合った病院を選ぶことができます。
ただし、口コミはあくまでも個人の感想であるため、内容の信憑性については注意が必要です。
5. アクセスや待ち時間を考慮する
内視鏡検査を受ける病院を選ぶ際は、通いやすさも大切なポイントです。検査前後は体調が不安定になることもあるため、自宅からの距離や交通手段、待ち時間などを踏まえて、無理なく通院できる環境かどうかを確認しておきましょう。
特に鎮静剤を使う場合は、検査後に車を運転できなくなるため、公共交通機関が使いやすい立地かどうかも重要です。
また、長時間の待ち時間は空腹や不安を強めることもあるため、スムーズに受診できる体制が整っているかもチェックしておくと安心です。予約システムを導入している病院であれば、待ち時間が少なく済む可能性が高く、快適に検査を受けられるでしょう。
内視鏡検査を病院で受ける前後で気をつけたいポイント
ここでは、内視鏡検査を病院で受ける前の注意点について詳しく見ていきましょう。
事前の食事制限と服用薬について

内視鏡検査では、胃や腸の中を鮮明に観察するために、検査前の食事制限が非常に重要です。これは、胃や腸の中に食べ物が残っていると、病変を隠してしまい、正確な診断を妨げる可能性があるためです。
検査前日には、消化の良いうどんやおかゆ、白身魚などを選び、食物繊維の多い野菜やきのこ類、海藻類などは控えましょう。これらの食品は消化に時間がかかり、腸内に残留しやすい傾向があります。夕食は、遅くとも夜9時までに済ませ、それ以降は絶食となります。ただし、水やお茶は、検査当日の朝までは摂取可能です。脱水症状を防ぎ、検査中の負担を軽減するために、こまめな水分補給を心がけましょう。
また、普段服用している薬がある場合は、必ず医師に相談してください。抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)や糖尿病の薬、抗血小板薬など、検査前に一時的に中断する必要がある薬もあります。これらの薬を服用したまま検査を受けると、出血のリスクが高まる可能性や低血糖を起こす可能性があります。自己判断で薬の服用を中止せず、必ず医師の指示に従ってください。
検査後の注意点と回復期間
内視鏡検査後は、検査部位に軽い違和感や、ガスが溜まる感じがある場合があります。
これは、内視鏡の挿入や空気の注入によるもので、通常は時間の経過とともに自然に治まります。ただし、激しい腹痛や出血、発熱、嘔吐などの症状が現れた場合は、検査による合併症や新たな病気が隠れている可能性もあるため、すぐに医療機関に連絡しましょう。
検査当日は、激しい運動や長時間の入浴、飲酒は避け、安静に過ごすようにしてください。食事は、医師の指示に従って再開しましょう。
通常は、検査後数時間で食事を再開できますが、ポリープ切除などを行った場合は、消化管の粘膜を保護するために、食事の再開時期が遅くなることがあります。
まとめ
この記事では、内視鏡検査に強い病院を選ぶための5つのポイントをご紹介しました。
検査は早期発見・早期治療に繋がる大切なものです。だからこそ、後悔しない病院選びが重要になります。専門医の在籍や実績、最新設備の導入状況は、検査の精度と安全性を左右する大きな要素です。また、費用や口コミ、アクセスの良さも、病院を選ぶ上で欠かせないポイントとなるでしょう。
これらの情報を参考に、あなたにとって最適な病院を見つけて、安心して検査を受けてくださいね。