「飲む育毛剤」という商品区分は、制度上どこにも存在しません。飲むタイプとして実在するのは、食品の育毛サプリと、医師が処方するAGA内服薬の2つだけ。この記事では両者の違いと入手経路、塗るタイプから切り替える際の判断基準を整理します。
フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル内服それぞれの役割と副作用の発現率、自由診療で続ける費用の考え方も解説。内服に切り替えたあとも塗るミノキシジルが必要になるケースまで踏み込みます。

- 「飲む育毛剤」はサプリ(食品・効果の標榜不可)とAGA内服薬(処方薬)の二択で中身が全く別物
- 薬局で買える飲むタイプはサプリのみ、AGA内服薬はクリニック処方が唯一の正規ルート
- 進行を抑えたいなら初期はフィナステリドで十分な場合が多く、効果が乏しければデュタステリドへの切り替えが検討される
- 発毛まで狙うなら内服+塗るミノキシジルの併用を医師と相談するのが基本の考え方
「飲む育毛剤」の正体|医薬部外品に飲むタイプは存在せず、育毛サプリかAGA内服薬のどちらか
「飲む育毛剤」という製品区分は、薬機法上存在しません。育毛剤と呼ばれる医薬部外品は、制度上「脱毛の防止及び育毛を目的とする外用剤」と定義されているためです。
出典: 厚生労働省『試験問題の作成に関する手引き』医薬部外品の効能又は効果の範囲
つまり、塗る育毛剤の飲むバージョンを探しても見つからないのが実情。
出典: 厚生労働省『試験問題の作成に関する手引き』医薬部外品の効能又は効果の範囲
では、通販サイトやクリニックのメニューで「飲む育毛剤」と呼ばれているものは何なのか。実体は2種類に分かれます。

ひとつは栄養補助を目的とした食品(サプリメント)。もうひとつが、AGA(男性型脱毛症)の進行そのものに働く医師処方の内服薬です。
AGAは成人男性に多くみられる脱毛症です。
出典: 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
「飲む育毛剤」と呼ばれているものは育毛サプリとAGA内服薬の2種類
市販で「飲む育毛剤」「育毛サプリ」の名で売られている製品は、法律上は食品に分類されます。髪の材料となる亜鉛・ビタミン・アミノ酸などを補う位置づけ。
食品であるため、発毛や脱毛予防といった医薬品的な効能効果は標榜できません。この点が最初の分かれ道になります。
出典: 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(e-Gov法令検索)
もう一方が、フィナステリド・デュタステリドといった医療用医薬品です。DHT(脱毛の原因物質)の産生に働きかけ、AGAの進行を抑える薬。
出典: PMDA フィナステリド(プロペシア)添付文書
これらは市販されておらず、入手には医師の診断と処方が必要です。
ドラッグストアの棚を探しても並んでいません。
| 呼ばれ方 | 実体の区分 | 期待できる範囲 | 入手先 |
|---|---|---|---|
| 飲む育毛剤・育毛サプリ | 食品(サプリメント) | 栄養補給の補助 | 市販・通販 |
| AGAの飲み薬 | 医療用医薬品 | AGAの進行抑制(承認薬)/発毛目的の内服は国内未承認 | 医師の処方 |
「飲むタイプで対策したい」というニーズは、この二択に整理できます。期待する効果によって、進む方向がはっきり変わるわけです。
塗る育毛剤に限界を感じた人に必要なのは「塗る→飲む」ではなく「医薬部外品→医薬品」の切り替え
市販の育毛剤を使い続けても抜け毛が減らない。その状況で「塗るのをやめて飲むタイプにしよう」と考えるのは、実は軸がひとつずれています。
効果の差を生んでいるのは、塗るか飲むかという剤形ではありません。医薬部外品か医薬品かという、効能の枠組みの違いです。
薄毛対策の手段は、育毛剤と発毛剤の違いも含め、役割で3つの層に分けると整理しやすくなります。
| 区分 | 役割 | 入手方法 |
|---|---|---|
| 育毛剤(医薬部外品) | 頭皮環境の改善・抜け毛予防 | 市販 |
| 発毛剤(ミノキシジル外用・第1類医薬品) | 発毛 | 薬剤師のいる薬局等で購入 |
| AGA治療薬(内服・医療用) | AGAの進行抑制(承認薬)/発毛目的の内服は国内未承認 | 医師の処方 |
医薬部外品の育毛剤が標榜できるのは、脱毛の防止・育毛の範囲まで。新たに毛を生やす「発毛」は目的ではありません。
出典: 厚生労働省『試験問題の作成に関する手引き』医薬部外品の効能又は効果の範囲
育毛剤を使っていても薄毛が進むなら、頭皮環境の維持だけでは足りない段階に入っている合図でしょう。情報を集めている今この段階が、対策の第一歩です。
必要なのは飲む形の育毛剤を探すことではなく、原因に働く医薬品へ層を上げること。その具体的な中身を、次の2つのH2で順に見ていきます。
市販の「飲む育毛剤」=育毛サプリでできること・できないこと
二択のうち、まず手に取りやすいのが市販の育毛サプリです。通販サイトで「飲む育毛剤」として並んでいる製品の大半がこちらに当たります。
期待できる範囲と、期待してはいけない範囲。この線引きを先に知っておくと、無駄な買い直しを避けられます。
育毛サプリは食品のため発毛や脱毛予防の効果は標榜できない
育毛サプリは法律上、食品(サプリメント)です。医薬品でも医薬部外品でもありません。
そのため、発毛・脱毛予防といった医薬品的な効能効果を製品として謳うことはできない決まりになっています。
出典: 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(e-Gov法令検索)
配合されているのは、亜鉛・ビオチン・ビタミンB群・アミノ酸など髪の材料となる栄養素が中心。食事で不足しがちな分を補う役割です。
偏食や極端なダイエットで栄養が足りていない人なら、補給の意味はあるでしょう。
ただし栄養状態が整っている人が追加で飲んでも、毛量が増えるという性質のものではありません。
薄毛サプリは薬ではない。この前提を持ったうえで使うと、位置づけを誤らずに済みます。
クリニックで扱う内服サプリの位置づけ
クリニックのメニューにも内服サプリは登場します。クリニックによっては、アミノ酸やビタミン類を配合した内服サプリを補助的に扱う場合があります。
びまん性の脱毛や髪の質感の悩みに対する補助として位置づけられるものです。

クリニックで扱われていても、医薬品のような発毛効果を断定できるものではありません。あくまで髪の成長をサポートする補助的な選択肢。
「いきなり薬は不安、まず手軽なものから」という方にとって入口にはなります。ただしAGAが進行している場合、サプリだけで進行を止めるのは難しいでしょう。
塗る育毛剤で効かなかった人がサプリに期待できる範囲
塗る育毛剤で手応えがなかった人が、同じ市販の枠内でサプリに乗り換える。この選択で結果が変わるかというと、正直に言えば期待は薄めです。
理由は単純で、サプリはAGAの原因であるDHTに働きかける成分を含まないためです。
栄養が足りていたところに栄養を足しても、脱毛のスイッチは切れません。
育毛剤で効果を感じなかったという経験は、裏を返せば「栄養や頭皮環境以外の要因が働いている」サインとも読めます。

サプリが向くのは、食生活の乱れや睡眠不足が重なっていて土台から立て直したい場合。あるいは治療と並行して髪の材料を確保したい場合です。
進行そのものを止めたいなら、必要なのは原因に働く医薬品。次はその中身に入ります。
医師が処方する「飲む育毛剤」|AGA内服薬3種の役割と実力
AGAの飲み薬(内服治療)で中心になるのは、フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル内服の3つ。それぞれ狙いが違います。
大きく分けると、進行を抑える「守り」の薬と、発毛を促す「攻め」の薬。進行度に応じて単剤か併用かを検討していくのが基本の考え方です。
フィナステリド|AGAの進行を抑える「守り」の内服薬
フィナステリドは、DHTの生成を抑える内服薬です。5α還元酵素II型を阻害し、DHTの産生を抑えることでAGAの進行を遅らせます。
出典: PMDA フィナステリド(プロペシア)添付文書
1日1回の服用で済むタイプが一般的。塗る・乾かすといった作業がないぶん、生活のなかに組み込みやすい薬です。

まだ毛量が残っている初期〜軽度の段階では、この守りの薬だけで進行を抑えられるケースが少なくありません。攻めよりも先に、抜けを止めることが基本になります。
先発品のプロペシア(一般名: フィナステリド)という商品名を目にすることもあるでしょう。効果の実感には一般に数ヶ月の継続が必要とされます。
出典: 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
デュタステリド|守りの範囲を広げる内服薬
デュタステリドは、5α還元酵素のI型・II型の両方を阻害する点が特徴の内服薬です。
出典: PMDA デュタステリド(ザガーロ)添付文書メタアナリシスでは、24週時点の総毛密度の改善でデュタステリドが上位と報告されています。
出典: Gupta AK et al., Journal of Cosmetic Dermatology 2025
フィナステリドがII型のみに働くのに対し、デュタステリドは2つの型を押さえに行きます。守りの網を広げるイメージ。
フィナステリドで手応えが乏しい場合の切り替え先として位置づけられることが多い成分です。
どちらが合うかは、進行度や体質を踏まえて医師と相談しながら決めていくとよいでしょう。自己判断で強い薬から始める必要はありません。
ミノキシジル内服|発毛を狙う「攻め」の薬だが国内未承認
ミノキシジル内服薬(LDOM: Low-Dose Oral Minoxidil)は、血行促進により発毛を促すとされる「攻め」の薬です。すでに薄くなった部位への発毛促進を目的に使われます。
ただし内服のミノキシジルは、国内で薄毛治療薬として承認されていません。
出典: 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
多くのAGAクリニックで自由診療として処方されている実態はありますが、この点は理解したうえで検討したいところ。
有効性については、男性型脱毛症の単剤療法に関するランダム化比較試験を統合したネットワークメタアナリシス(Gupta 2025)で、外用・内服の比較有効性が報告されています。
出典: Gupta AK et al., Journal of Cosmetic Dermatology 2025

日本皮膚科学会ガイドライン2017年版では推奨度Dとされました。
出典: 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
これは2017年時点のエビデンスに基づく評価であり、その後の研究で安全性プロファイルの検討が積み上げられています。ただし、長期的な安全性についてはさらなる研究が必要です。
出典: Vañó-Galván S et al., J Am Acad Dermatol 2021 (PMID 33639244)
日本皮膚科学会ガイドラインの推奨度で見る「塗る」と「飲む」の差
塗る育毛剤と内服薬では、エビデンスの積み上がり方が違います。診療ガイドラインの推奨度を並べると、その差が数段階として見えてきます。
| 手段 | 区分 | ガイドライン2017年版の推奨度 |
|---|---|---|
| フィナステリド内服 | 医療用医薬品 | A |
| デュタステリド内服 | 医療用医薬品 | A |
| ミノキシジル外用 | 第1類医薬品(市販可) | A |
| 自毛植毛/LED・低出力レーザー | 施術・機器 | B |
| ケトコナゾール外用 | 外用 | C1 |
| ミノキシジル内服 | 国内未承認 | D |
出典: 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
医薬部外品の育毛剤に配合される成分は、推奨度が最高でB、多くはC1にとどまります。
出典: 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版 表1(CQ6〜CQ10)一方で推奨度Aに並ぶのは、内服のフィナステリド・デュタステリドと、外用のミノキシジル。
出典: 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

注目したいのは、ミノキシジル外用が内服2剤と同じAに位置している点です。「塗るより飲むほうが上」という単純な図式ではありません。
差が出ているのは剤形ではなく、医薬部外品か医薬品かという枠。塗る育毛剤に限界を感じた人が見るべきは、まさにこの線です。
ミノキシジル内服のDについては前述のとおり2017年時点の評価であり、その後の研究状況と合わせて捉える必要があります。
飲む育毛剤の入手経路|薬局・通販・クリニックで手に入るものの線引き
薬局・ドラッグストアで買える飲むタイプはサプリのみで、AGA内服薬はクリニックでの処方が唯一の正規ルートです。
この線引きを押さえると、どこを探すべきかが決まります。入手先ごとに何が手に入るのか、順に見ていきます。
薬局・ドラッグストアで買える「飲むタイプ」はサプリのみ
ドラッグストアの育毛コーナーに並ぶ飲むタイプは、すべて食品のサプリメントです。医薬品の内服は棚にありません。
第1類医薬品の棚にミノキシジル外用の発毛剤は置かれていますが、これは塗る製品。
飲む医薬品のAGA治療薬は市販の対象外です。
出典: PMDA ミノキシジル外用薬(リアップX5プラスネオ)添付文書
「薬剤師に聞けば飲み薬を出してもらえるのでは」と考える方もいますが、フィナステリド・デュタステリドは処方箋医薬品。薬局単独では購入できません。
出典: PMDA フィナステリド(プロペシア)添付文書
出典: PMDA デュタステリド(ザガーロ)添付文書
市販の枠で飲むタイプを探す限り、行き着く先はサプリになります。ここは制度上の天井と理解しておくとよいでしょう。

AGA内服薬はクリニック処方が唯一の正規ルート(対面・オンライン診療の流れ)
フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル内服を使うには、医療機関を受診して処方を受けることになります。
流れはシンプルで、問診と頭皮の状態確認、必要に応じた血液検査、そして処方。治療開始後は定期的に経過を見ていきます。

AGA治療を扱う医療機関では、初診からオンライン診療に対応しているところが増えました。自宅から受診でき、移動時間をかけずに相談できます。ただし症状や処方内容(ミノキシジル内服を含む発毛プラン等)によっては、対面での血液検査をご案内される場合があります。
この対面検査はマイナス要素ではありません。安全に続けるための確認と捉えるほうが実態に合っています。
クリニックを選ぶ意味は、価格の安さだけではないでしょう。診断・処方・経過観察が一貫して受けられること。
副作用が出たときにすぐ相談できる窓口があること。
特にミノキシジル内服を含む処方では、血液検査によるモニタリングが用意されているかが重要になります。安全に続けられるかという視点を、価格と同じ重さで見ておきたいところです。
通販・個人輸入で「飲む育毛剤」を入手する際の注意点
ネット上には、海外から取り寄せる形でAGA内服薬を扱うルートも存在します。安く手に入るという情報を目にした方もいるでしょう。
ただしフィナステリド・デュタステリドは処方箋医薬品であり、本来は医師の診断と処方を前提とする薬です。
出典: PMDA フィナステリド(プロペシア)添付文書
この経路では、医師による診断も副作用のモニタリングも伴いません。品質や成分含量が確認できない製品が混在するリスクも指摘されています。
出典: 厚生労働省 医薬品等の個人輸入について

「飲む育毛剤」というあいまいな名称で流通する製品のなかには、国内で承認されていないものや、成分表示が実態と合わないものが含まれる可能性もあります。
出典: 厚生労働省 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ
ミノキシジル内服は循環器系の副作用が報告される薬。血液検査や経過観察が求められる場面もあり、自己判断だけで扱うのは慎重に考えたいところです。
出典: Vañó-Galván S et al., J Am Acad Dermatol 2021 (PMID 33639244)
薄毛の内服治療で医療機関での処方が一般的な入手経路とされるのは、こうした背景があるためです。
「飲む」に切り替えるか「塗る」も続けるか|目的別の判断基準
内服に切り替えれば、塗る作業から解放されるのか。答えは目的によって変わります。
「抜け毛を止めたい」のか「薄くなった部分を生やしたい」のか。この2つで、塗るタイプが残るかどうかが分かれるのです。

抜け毛の進行を止めたいだけならフィナステリド単剤で「塗る」は手放せる
目的が進行の抑制だけなら、フィナステリド単剤という選択で塗る作業をやめられます。
1日1回の服用で済み、頭皮に塗り広げる手間も乾かす時間もかかりません。
髪型やスタイリングに影響しないのも実用的な利点でしょう。
フィナステリドはAGAの原因であるDHTに体の内側から働きかけます。この守りの役割は、外用では代替しにくいもの。
出典: PMDA フィナステリド(プロペシア)添付文書
まだ毛量が残っている段階で「これ以上減らしたくない」が主眼なら、内服一本に絞る形は合理的です。継続のハードルが下がるぶん、結果的に続けやすくなります。
生やしたいなら「飲む」+「塗るミノキシジル」の併用も選択肢
すでに薄くなった部分を回復させたい場合、話が変わります。守りの薬だけでは、失った部分を埋める働きは期待しにくいためです。
ここで組み合わせる候補になるのがミノキシジル外用。前述の推奨度表のとおり、内服2剤と同じAに位置する発毛剤です。
出典: 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
| 比較項目 | 飲むタイプ(内服) | 塗るタイプ(外用) |
|---|---|---|
| 使い方 | 1日1回程度の服用 | 1日2回の塗布が中心 |
| 作用の仕方 | 体の内側から働く | 頭皮に直接作用 |
| 入手 | フィナステリド・デュタステリドは医師の処方 | ミノキシジル外用は薬剤師のいる薬局等で購入可 |
内服で進行を抑え、外用で発毛を促す。こうした役割分担は、医師と相談して検討する組み合わせのひとつです。
「塗るのをやめたくて飲むタイプを探していた」という方には残念な結論かもしれません。生やす目的である限り、塗る工程は残ると考えておくほうが現実的です。
「飲む」だけに一本化できるのはミノキシジル内服を医師管理下で使う場合のみ
それでも塗る作業を完全になくしたい。その場合の選択肢が、ミノキシジル内服です。
内服で発毛促進のパートも担わせる形になるため、外用を使わずに済む可能性があります。
ただし前提条件があります。ミノキシジル内服は国内で薄毛治療薬として承認されておらず、医師の判断と管理のもとで処方される薬だという点。
出典: 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
全身に作用するため、多毛症やむくみ、動悸といった副作用の報告もあります。
出典: Vañó-Galván S et al., J Am Acad Dermatol 2021 (PMID 33639244)
血液検査を含めた経過観察が前提になるケースも。
「塗るのが面倒だから」という理由だけで選ぶ薬ではないでしょう。外用で効果が不十分だった場合のステップアップとして、医師と相談しながら検討する位置づけです。
進行度で決める予防プランと発毛プランの選び分け
初期〜軽度で毛量が残っているなら、フィナステリド単剤の予防プランで足りるケースが多くあります。
すでに地肌が目立つ段階なら、発毛成分を組み合わせる発毛プランが選択肢に。大切なのは、進行度に合わないプランを選ばないことです。

まだ守りで足りる段階で高額な発毛プランに飛びつく必要はありません。費用の具体的な見方は、後の副作用・費用のセクションで整理します。
併用する塗る側は、市販の第1類医薬品でも揃えられます。次にその候補を見ていきましょう。
「飲む」と組み合わせる市販ミノキシジル発毛剤の比較表
内服と併用する塗るミノキシジルは、薬剤師のいる薬局・ドラッグストアで購入できます。いずれも第1類医薬品です。
代表的な3製品を、区分・有効成分・容量・用法・参考価格で並べました。価格は時期や販売店で変動する目安として見てください。
3製品ともミノキシジル濃度は5%で共通。差が出るのは配合成分の構成と、継続したときのコストです。
「飲む」と組み合わせる市販ミノキシジル発毛剤おすすめ3選
比較表のとおり、3商品はいずれもミノキシジル5%配合の第1類医薬品。有効成分の濃度と用法(1日2回1mL)は同じで、内服との組み合わせ方に違いはありません。
選ぶポイントは、内服と並行して続けるときの費用感と使い勝手。この軸に絞って見ていきます。
スカルプDメディカルミノキ5 プレミアム|内服と組み合わせる最初の候補になる発毛剤
| スカルプDメディカルミノキ5 プレミアムの基本情報 | |
|---|---|
| 分類 | 発毛剤(第1類医薬品) |
| 効能の範囲 | 発毛 |
| 有効成分 | ミノキシジル5%、ピリドキシン塩酸塩、トコフェロール酢酸エステル、l-メントール |
| ミノキシジル濃度 | 5% |
| 容量 | 60mL(約30日分) |
| 用法 | 1日2回1mL |
| 参考価格 | 7,800円(公式・プレミアム) |
| 対象 | 男性 |
| メーカー | アンファー |
- ミノキシジル5%に加えピリドキシン塩酸塩・トコフェロール酢酸エステル等を配合した第1類医薬品
- 60mLで約30日分(1日2回1mL)・参考価格7,800円(公式・プレミアム)
- 同シリーズにスタンダード(4,980円)があるため購入時にグレードを要確認
内服で進行を抑えつつ塗る側も始めるなら、有効成分の構成で選びたいところ。スカルプDメディカルミノキ5 プレミアムは、ミノキシジル5%に加えてピリドキシン塩酸塩、トコフェロール酢酸エステル、l-メントールを配合した第1類医薬品です。
アンファーの発毛剤で、容量は60mL。1日2回1mLの用法で、およそ30日分にあたります。
l-メントール配合により、塗布時の清涼感があるのも継続面での特徴。
内服は飲むだけで完了する一方、外用は毎日の作業になるため、使用感の好みは続けやすさに直結します。
参考価格は公式のプレミアムで7,800円。同シリーズにはスタンダード(4,980円)もあり、グレードによって価格が異なるため、購入時は表記の確認を。
第1類医薬品のため、薬剤師の説明を受けたうえで購入し、用法用量を守って使用してください。
ミノキシジル5%配合の第1類医薬品。最新の価格・販売情報は公式サイトで確認できます
公式サイトで成分・使用方法・最新価格を確認できます
ヒックス ミノキシジル5|併用の継続コストを抑えたい人向け
| ヒックス ミノキシジル5の基本情報 | |
|---|---|
| 分類 | 発毛剤(第1類医薬品) |
| 効能の範囲 | 発毛 |
| 有効成分 | ミノキシジル5%(単剤) |
| ミノキシジル濃度 | 5% |
| 容量 | 60mL |
| 用法 | 1日2回1mL |
| 参考価格 | 単品4,500円(4本セット12,000円・1本あたり3,000円) |
| 対象 | 男性 |
| メーカー | シオノケミカル(製販)/エムボックス(販売) |
- ミノキシジル5%単剤のシンプル設計(第1類医薬品)
- 60mL・単品4,500円、4本セット12,000円(1本あたり3,000円)と続けやすい価格
- 発毛成分に絞った構成で、コストを抑えて始めたい方向け
内服と外用を並行すると、月々の負担は両方の合計になります。塗る側のコストを抑えたい方に合うのがヒックス ミノキシジル5。
シオノケミカルが製造販売し、エムボックスが販売する第1類医薬品です。有効成分はミノキシジル5%の単剤構成。
容量60mL、1日2回1mLの用法で、他製品と使い方は変わりません。
参考価格は単品4,500円で、4本セットなら12,000円、1本あたり3,000円という設定。
AGA治療は3ヶ月〜1年の継続が前提になります。まとめ買いで単価が下がる構成は、長期で続ける前提と相性がよいでしょう。
単剤のシンプルな処方を選びたい方にも向きます。
ミノキシジル5%配合の第1類医薬品。単品4,500円・4本セット12,000円(1本あたり3,000円)
リンク先は公式の購入ページです(薬剤師の確認があります)
リアップX5チャージ|8種の有効成分を配合した大正製薬の発毛剤
| リアップX5チャージの基本情報 | |
|---|---|
| 分類 | 発毛剤(第1類医薬品) |
| 効能の範囲 | 発毛 |
| 有効成分 | ミノキシジル5%、パンテノール 等 計8有効成分 |
| ミノキシジル濃度 | 5% |
| 容量 | 60mL |
| 用法 | 1日2回1mL |
| 参考価格 | 希望小売8,140円(実売〜6,580円) |
| 対象 | 男性 |
| メーカー | 大正製薬 |
- ミノキシジル5%+パンテノール等 計8有効成分を配合(第1類医薬品)
- 60mL・希望小売8,140円(実売〜6,580円)
- ドラッグストアでの取り扱いが広く入手しやすい
リアップX5チャージは大正製薬の第1類医薬品です。
ミノキシジル5%に加え、パンテノールなど計8種の有効成分を配合。容量60mL、1日2回1mLの用法です。
希望小売価格は8,140円で、実売はおよそ6,580円から。希望小売価格は3製品で最も高いものの、実売価格はこれより下がる場合があります。
ミノキシジルに複数の有効成分を組み合わせた構成を選びたい方にとって、選択肢に入る製品です。
こちらも第1類医薬品のため、薬剤師の説明を受けての購入が必要です。
ミノキシジル5%配合の第1類医薬品。最新の価格・販売情報は公式サイトで確認できます
公式サイトで成分・使用方法・最新価格を確認できます
飲む育毛剤の副作用と費用|自由診療で続ける前に知っておくリスク
塗る側は市販で揃えられます。一方で飲む側には、外用にはなかった全身性のリスクと、自由診療としての費用が伴います。
AGAの内服治療は自由診療であり、健康保険は適用されません。
出典: 厚生労働省 医療広告ガイドライン
数値と仕組みを把握したうえで判断するために、薬剤ごとの副作用と費用の見方を整理します。
フィナステリド・デュタステリドの副作用と発現率の目安
フィナステリドの主な副作用は、性欲減退や勃起機能障害です。PMDAの添付文書(フィナステリド製剤)では、性欲減退が1〜5%、勃起機能不全が1%未満と報告されています。
出典: PMDA フィナステリド(プロペシア)添付文書
デュタステリドでも同様に、性機能に関する副作用が報告されており、性欲減退3.9%、勃起機能不全4.3%、射精障害1.3%とされています。
出典: PMDA デュタステリド(ザガーロ)添付文書
発現率には個人差があり、全員に起こるわけではありません。
気になる症状が出た場合は、自己判断で中止せず処方元へ相談を。
肝機能に関する検査値の変動が報告されることもあり、定期的な血液検査を設けるクリニックもあります。
出典: PMDA フィナステリド(プロペシア)添付文書持病や常用薬がある方は、診察時に必ず伝えてください。
ミノキシジル内服の副作用(多毛・むくみ・動悸)と未承認薬の意味
ミノキシジル内服(LDOM)は国内で薄毛治療薬として承認されておらず、PMDAの添付文書が存在しません。
添付文書がないという事実は、国内の規制当局が審査した用法・用量・副作用情報の公的な一覧が手元にないことを意味します。そのため副作用率は、最新の大規模研究を根拠に把握することになります。
PMID 33639244(J Am Acad Dermatol 2021、男女混合1,404名の多施設研究)では、多毛症が約15.1%、副作用による治療中止率は1.2%程度と報告されています。
出典: Vañó-Galván S et al., J Am Acad Dermatol 2021 (PMID 33639244)

このほか、めまい・動悸・むくみといった循環器系の症状も挙げられています。
出典: Vañó-Galván S et al., J Am Acad Dermatol 2021 (PMID 33639244)顔や手足の産毛が濃くなる多毛症は、頭髪以外への影響として知っておきたい点でしょう。
副作用とは別に、ミノキシジル(外用)の使い始めに一時的な抜け毛の増加(初期脱毛)がみられることがあります(外用薬の添付文書による)。
出典: PMDA ミノキシジル外用薬(リアップX5プラスネオ)添付文書休止期の毛髪が新しい髪に押し出される一時的な現象です。
初期脱毛は一般に一時的なものとされますが、続く期間には個人差があり、全員に起こるわけではありません。
長引く場合は自己判断で中止せず、医師に相談してください。
ミノキシジル内服は多くのAGAクリニックで自由診療として処方されている一方、長期的な安全性についてはさらなる研究が必要です。医師の管理下で使う薬という前提を外さないことが大切になります。
出典: Vañó-Galván S et al., J Am Acad Dermatol 2021 (PMID 33639244)
育毛サプリにも過剰摂取や飲み合わせのリスクはある
「サプリなら安全」と考えるのは早計です。食品であっても、過剰に摂れば体に負担がかかる成分はあります。
亜鉛の長期的な過剰摂取は銅の吸収を妨げるとされ、脂溶性ビタミンは体内に蓄積しやすい性質を持ちます。
出典: 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書複数のサプリを重ねると、知らないうちに上限を超えることも。

常用している薬がある場合は、サプリであっても診察時に医師へ伝えてください。飲み合わせによっては注意が必要なケースがあります。
自己判断で併用を決めないこと。表示された目安量を守ることが基本です。

自由診療(保険適用外)で続ける費用の考え方|予防プランと発毛プランの差・表示価格以外の費用
内服治療の料金はプラン内容で大きく変わります。フィナステリド単剤の予防プランと、発毛成分を組み合わせる発毛プランとでは、月額費用に差が出るのが一般的です。
薬代の表示だけで判断すると、実際の支払いとズレが生じます。総額で確認したい費用は次のとおり。
| 費用項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 初診料・再診料 | 無料のクリニックもあれば有料のところもある |
| 血液検査費 | 処方内容によって必要になる場合がある |
| 送料 | 薬を配送する場合に発生することがある |
特にミノキシジル内服を含む発毛プランでは、安全確認のために血液検査が求められる場合があります。この費用が別途かかるかは、事前に確認しておきたいところ。
月額表示の安さだけでなく、初診料・検査費・送料を含めた総額の透明性で比べるとよいでしょう。追加費用が明示されているほど、あとから慌てずに済みます。

「まず試してみたい」という方には、返金保証の有無も判断材料になります。合わなかったときの備えがあると、最初の一歩を踏み出しやすくなるもの。
外用を併用する場合は、市販の発毛剤代も月々の支出に加わります。前掲の参考価格を目安に、内服と合わせた合計で見積もっておくと現実的です。
飲む育毛剤に関するよくある質問
正体と入手経路をめぐって迷いやすい点を、短く整理しました。
飲む育毛剤は薬局やドラッグストアで買えますか?
薬局・ドラッグストアで買える飲むタイプは、食品の育毛サプリのみです。
フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル内服は処方箋医薬品または国内未承認薬のため、市販されていません。
出典: PMDA フィナステリド(プロペシア)添付文書
出典: PMDA デュタステリド(ザガーロ)添付文書入手には医療機関の受診が必要になります。
第1類医薬品の棚にあるミノキシジル製品は、いずれも塗るタイプの発毛剤です。
出典: PMDA ミノキシジル外用薬(リアップX5プラスネオ)添付文書
塗る育毛剤と飲む育毛剤は併用できますか?
内服のAGA治療薬と、塗るミノキシジル外用の併用は、発毛を目的とする場合の選択肢のひとつです。医師と相談して検討しましょう。
ただし市販の育毛剤(医薬部外品)やサプリを自己判断で重ねるのは別の話。使用中の製品は、診察時にすべて医師へ伝えてください。
出典: PMDA ミノキシジル外用薬(リアップX5プラスネオ)添付文書
同じ成分を内服と外用で重複させる場合も、量の管理が必要になります。組み合わせは医師と決めるのが確実でしょう。
飲む育毛剤はどのくらいで効果を実感できますか?
目安として3ヶ月〜1年の継続が必要とされます。ヘアサイクルの都合上、短期間では判断できません。
出典: 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
効果の判定には毛周期を考慮して最低24週(約6ヶ月)程度の継続が必要とされ、効果には個人差があります。
出典: Dias FR et al., Frontiers in Pharmacology 2026焦らず経過を見ることが大切です。
飲む育毛剤をやめると元に戻りますか?
AGAは進行性のため、服用を中止すると治療前の状態に向かって進行が再開すると考えられています。継続が前提の治療です。
出典: 日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
一定期間続けても変化が乏しい場合、成分の変更やプランの見直しを医師と相談する目安になります。フィナステリドからデュタステリドへの切り替えや、発毛成分の追加といった選択肢も。
自己判断でやめる前に、まず処方元へ相談を。経過を見てきた医師なら、次の打ち手を提案しやすいでしょう。
女性も飲む育毛剤を使えますか?
フィナステリド・デュタステリドは妊娠可能な女性に禁忌とされ、女性には処方されません。男性ホルモンの働きを抑える薬であるためです。
出典: PMDA フィナステリド(プロペシア)添付文書
出典: PMDA デュタステリド(ザガーロ)添付文書
女性の薄毛(FAGA)では、国内承認のあるミノキシジル外用が基本の選択肢になります。
出典: Female-pattern hair loss: therapeutic update(An Bras Dermatol 2023)スピロノラクトン内服やミノキシジル内服はいずれも国内で薄毛治療薬として承認されておらず、根拠も限定的とされています。医師の判断で自由診療として用いられる場合がありますが、長期的な安全性についてはさらなる研究が必要です。
クリニックで扱う内服サプリは、髪の成長をサポートする補助的な位置づけです。どの組み合わせが合うかは、医師に相談して決めるとよいでしょう。
まとめ|「飲む育毛剤」を探すなら、サプリか処方薬かを決めてから入手経路を選ぶ
「飲む育毛剤」という製品区分は制度上存在せず、実体は食品の育毛サプリか、医師が処方するAGA内服薬の二択です。
サプリは栄養補給の補助であり、DHTには働きません。塗る育毛剤で効果を感じなかった方が同じ市販の枠内で乗り換えても、進行そのものは止まらないでしょう。
必要なのは「塗る→飲む」という剤形の変更ではなく、医薬部外品から医薬品へという層の切り替えです。
内服の主軸はフィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル内服の3種。守りと攻めで役割が分かれ、進行度に応じて単剤か併用かを医師と相談して選びます。
抜け毛を止めるだけならフィナステリド単剤で塗る作業を手放せます。生やす目的なら、内服+塗るミノキシジルの併用も医師と相談したい選択肢。併用する外用は市販の第1類医薬品で揃えられ、なかでもスカルプDメディカルミノキ5 プレミアムは、ミノキシジル5%に3つの補助成分を組み合わせた構成で、内服と並行する最初の1本として選びやすい製品です。
入手経路は、医師の診断・処方・経過観察が一貫する正規ルートで。気になる方は早めに医師へ相談するとよいでしょう。
- AGAの内服治療は自由診療(保険適用外)です。標準的な費用はクリニック・プランにより異なるため、初診料・検査費・送料を含む総額(税込)を各クリニック公式サイトの料金ページでご確認ください。治療期間は、効果判定までに最低6ヶ月程度の継続が目安とされます。
- 効果には個人差があり、すべての方に同様の効果を保証するものではありません。
- フィナステリド・デュタステリドでは性機能に関する副作用、ミノキシジル内服では多毛症・むくみ・動悸などの副作用が報告されています。ミノキシジル内服は国内で薄毛治療薬として承認されていません。
- 治療薬・発毛剤の使用や併用は、自己判断せず医師・薬剤師に相談してください。
- 記載の価格は執筆時点の税込参考価格であり、販売時期や店舗により変動します。
※本記事に記載の料金は2026年9月25日時点のものです(特記なき限り税込)。最新の料金・条件は各クリニック公式サイトをご確認ください。
