呼吸器内科とは、気管・気管支・肺などの「呼吸に関する臓器」を専門に診る診療科です。 一般内科との大きな違いは、長引く咳や喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などへの専門的な検査・治療に特化している点にあります。
本記事では、「風邪が治らない」「咳が2週間以上続く」「息切れがする」といった症状で受診を迷っている方へ向けて、呼吸器専門医の大谷義夫院長が、受診のタイミングや検査の流れをわかりやすく解説します。この記事を読めば、今の症状で何科を受診すべきかの「判断の目安」を整理できます。
【監修者からのメッセージ】
呼吸器疾患は、早期発見・早期治療が非常に重要です。特に「咳」は、重大な病気が隠れているサインであることも少なくありません。数多くの患者さんを診てきた専門医の視点から、見逃してほしくない症状のポイントと、適切な医療の受け方をまとめました。
専門領域: 気管・気管支・肺の呼吸器疾患全般(喘息、肺炎、睡眠時無呼吸症候群など)
受診の目安: 咳が2週間以上続く、または階段での息切れ、夜間のいびきがある場合
内科との違い: 専門医による詳細な肺機能検査や画像診断が可能です
目次
呼吸器内科とは?

呼吸器内科は、下気道(気管、気管支)と肺、つまり呼吸に関わる臓器の病気を専門的に診療する内科の一分野です。
一方で、鼻と喉(咽頭と喉頭)の上気道は耳鼻咽喉科の領域となります。
呼吸器系の病気は、感染症(肺炎、気管支炎など)から慢性疾患(喘息、咳喘息、COPD)、さらには肺がんなどの腫瘍性疾患まで多岐にわたります。これらの病気に対して、専門的な知識と技術を持つ医師が診断・治療を行うのが呼吸器内科です。
一般内科でも咳や息切れなどの症状に対応できますが、症状が長引く場合や、専門的な検査や治療が必要な場合は、呼吸器内科の受診が推奨されます。
呼吸器専門医の役割
日本呼吸器学会が認定する「呼吸器専門医」は、内科全般の知識に加え、呼吸器疾患の診断・治療において深い経験を持っています。特に長引く咳が「単なる風邪の残り」なのか、「咳喘息」や「結核」「肺がん」などの病気なのかを正確に診断するエキスパートです。
呼吸器内科と一般内科の違い
「呼吸器内科」と「一般内科」の大きな違いは、専門性の深さと、検査・治療の範囲にあります。
| 項目 | 一般内科(かかりつけ医) | 呼吸器内科(専門医) |
|---|---|---|
| 主な役割 | 「最初の窓口」として幅広い症状に対応 | 「肺・気道のスペシャリスト」として専門診療 |
| 対象となる症状 | 急な発熱、喉の痛み、腹痛、生活習慣病など | 2週間以上続く咳、ゼーゼーする、階段での息切れ |
| 得意とする疾患 | 風邪、インフルエンザ、高血圧、糖尿病など | 喘息、COPD(※¹)、肺炎、肺がん、間質性肺炎(※²)など |
| 実施する検査 | 血液検査、一般的な胸部レントゲンなど | 肺機能検査、呼気NO検査(※³)、気管支鏡など |
※¹COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは:タバコの煙といった有害な成分を長い間吸い込み続けることで、肺や気管支に持続的な炎症が生じ、呼吸の苦しさを引き起こす病気です。
※²間質性肺炎とは:肺の間質(肺胞の壁)が長期的な炎症によって硬く分厚くなり、スムーズなガス交換(酸素の取り込み)ができなくなる病気です。
※³呼気NO検査とは:吐く息に含まれるNO(一酸化窒素)濃度を測定する検査です。気道の好酸球性炎症の程度を数値化し、喘息や咳喘息の診断、治療の効果判定に役立ちます。
どちらを受診すべき?迷った時の判断基準
- 一般内科へ: 「まずは診てほしい」「風邪かもしれない」という初期段階や、高血圧などの定期通院。
- 呼吸器内科へ: 「咳が止まらない」「息苦しさが続く」など、呼吸に関わる症状が長引いている、あるいは悪化している場合。
一般内科は、地域医療の「ゲートキーパー」として、必要に応じて呼吸器内科などの専門科へ紹介する役割も担っています。
どちらを受診すべき?迷った時の判断基準
- 一般内科へ: 「まずは診てほしい」「風邪かもしれない」という初期段階や、高血圧などの定期通院。
- 呼吸器内科へ: 「咳が止まらない」「息苦しさが続く」など、呼吸に関わる症状が長引いている、あるいは悪化している場合。
一般内科は、地域医療の「ゲートキーパー」として、必要に応じて呼吸器内科などの専門科へ紹介する役割も担っています。
呼吸器内科で診る主な症状
「ただの風邪」だと思って放置してしまいがちな症状の中に、専門的な治療が必要なサインが隠れています。
①長引く咳(3週間以上)
風邪やインフルエンザが治った後も咳だけが続く場合、単なる「風邪の残り」ではない可能性があります。
- 考えられる原因: 咳喘息、感染後咳嗽(気道粘膜のダメージ)、副鼻腔炎、アトピー咳嗽(がいそう:咳を示す医学的専門用語)など。
- チェックポイント: 夜間や明け方に咳がひどくなる、冷たい空気に触れると咳き込むといった場合は、咳喘息・喘息の可能性が高まります。
②息切れ・呼吸困難
「年齢のせいかな?」と見過ごされがちですが、肺や心臓の機能低下を示す重要なサインです。
- 日常生活での例: 階段を上る時に以前より息が切れる、駅のホームまで歩くのが辛い、安静時でも胸が苦しい。
- 考えられる原因: 喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎、あるいは心不全などの循環器疾患。
③喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)
呼吸をする時に、胸から音が聞こえる状態です。
- 考えられる原因: 気管支が狭くなっているサインです。喘息やCOPDなどが疑われます。循環器疾患である心不全でも喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)を感じることがあります。
- 判断の目安: 横になると苦しくて座ると楽になる(起坐呼吸)場合は、早急な受診が必要です。
④【緊急性が高い】血痰(けったん)・喀血(かっけつ)
痰に血が混じったり、咳と一緒に血を吐いたりする症状は、体からの重大な警告です。
- 考えられる原因: 肺がん、肺結核、気管支拡張症、肺炎、急性気管支炎など。
- 対応: 少量で一過性なら急性気管支炎かもしれませんが、少量であっても、念のため、放置せずに直ちに呼吸器内科を受診してください。
⑤胸痛(胸の痛み)
特に「息を吸った時に痛む」場合は、肺に関連するトラブルが考えられます。
- 考えられる原因: 肺炎、胸膜炎(肺を包む膜の炎症)、気胸(肺に穴が開く病気)。
- 注意: 締め付けられるような激しい痛みは心臓疾患(狭心症・心筋梗塞)の可能性があるため、その場合は循環器内科や救急外来との連携が必要です。
呼吸器内科が扱う「意外な」症状
「咳」以外でも、以下のような症状がある場合は呼吸器の専門的なアプローチが解決の鍵となることがあります。
・原因不明の息切れ (レントゲンで異常なしと言われた方へ)
一般的にレントゲン検査だけでは見つかりにくい「間質性肺炎」や「肺線維症」、「肺血栓塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)」などの疾患が隠れていることがあります。専門医によるCT検査や精密な呼吸機能検査が早期発見に繋がります。
・微熱
結核や非結核性抗酸菌症などの感染症、あるいは膠原病に伴う間質性肺炎など、原因不明の微熱で呼吸器内科を受診することがあります。
・いびき・日中の強い眠気
「大きないびき」は単なる癖ではなく、睡眠中に呼吸が止まる病気のサインかもしれません。放置すると高血圧や心筋梗塞のリスクを高める睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。
【SAS治療(CPAP療法)に関する重要事項】
- 保険適用の条件: 簡易検査や精密検査で一定の基準(AHI指数など)を満たす必要があります。
- 費用の目安: 保険適用(3割負担)で月5,000円程度、自費診療の場合は月15,000円程度が目安です。
- リスク・副作用: マスク装着による肌荒れ、鼻粘膜の乾燥、空気が送られることによる違和感などが生じる場合があります。
呼吸器内科の受診を検討すべき「5つのサイン」

「どのタイミングで受診すればいいの?」と迷っている方は、以下の項目をチェックしてみてください。一つでも当てはまる場合は、呼吸器専門医への相談をおすすめします。
① 咳が3週間以上続いている
風邪や感染症の後に咳だけが残る場合、対症療法では治らない「咳喘息」などの可能性があります。
② 内科を受診したが症状が良くならない
一般的な処方薬で改善しない場合、専門医によるCT検査や肺機能検査での「原因特定」が必要です。
③ すでに喘息やCOPDと診断されている
これらは「管理」が重要な慢性疾患です。悪化を防ぎ、健やかな日常生活を送るために、専門医による継続的な治療が推奨されます。
④健康診断で「肺に異常」を指摘された
胸部X線で「要精密検査」となった場合、早期発見が重要な肺がん等のリスクを確認するため、速やかに受診してください。
⑤ 長年の喫煙歴があり、呼吸器症状がある
喫煙歴が長い方で、咳、痰、息切れなどの症状がある場合、COPD(タバコ病)、慢性気管支炎、肺がんなどのリスクが高まります。呼吸器内科での定期的なチェックが推奨されます。
呼吸器内科「以外」の診療科が向いている症状
咳や息切れがあっても、実は別の臓器に原因がある場合があります。以下のリストを参考に、当てはまる診療科を確認してみましょう。
【クイック判定表】何科に行くべき?
| メインの症状 | +αの症状 | 推奨される診療科 |
|---|---|---|
| 長引く咳・ゼーゼーする | 痰が出る、喫煙歴がある | 呼吸器内科 |
| 咳・鼻水 | 喉の痛み、鼻詰まり | 耳鼻咽喉科 |
| 息切れ・苦しさ | 足のむくみ、動悸、胸痛 | 循環器内科 |
| 食後の咳 | 胸やけ、胃酸の逆流 | 消化器内科 |
迷ったときは「一般内科」へ
自分の症状がどこに当てはまるか判断がつかない場合は、まず「一般内科(かかりつけ医)」を受診しましょう。適切な診断の上、必要に応じて専門医療機関への紹介状を作成してもらえます。
1. 耳鼻咽喉科(耳・鼻・のどの専門)
鼻やのどの異常が原因で「咳」が出ているケースです。
- 鼻の症状がメイン: 鼻水が喉に落ちてくる感覚(後鼻漏)があり、横になると咳が出る。
- のどの違和感: 咳よりも「のどの痛み」や「異物感」が強く、声が枯れている。
- 判断の目安: 「鼻詰まり」「のどの腫れ」が伴う場合は、まず耳鼻咽喉科へ。
2. 循環器内科(心臓・血管の専門)
「息切れ」の原因が肺ではなく、心臓のポンプ機能にあるケースです。
- むくみを伴う息切れ: 階段で息が切れるだけでなく、足がひどくむくむ、横になると苦しい。
- 胸の圧迫感: 呼吸とは関係なく、胸が締め付けられるような痛みや動悸がある。
- 判断の目安: 「むくみ」「動悸」がある場合は、心不全や不整脈の可能性があるため循環器内科へ。
3. 消化器内科(胃・腸の専門)
胃酸が逆流して気道を刺激し、「咳」を引き起こしているケースです。
- 食事に関連する咳: 食後や寝ている間に咳き込む、胸やけや酸っぱいものが上がる感覚がある。
- 喉のヒリヒリ感: 胃酸によって喉が荒れ、慢性的につかえた感じがする。
判断の目安: 「胸やけ」「食後の悪化」がある場合は、逆流性食道炎を疑い消化器内科へ。
呼吸器内科の重要性
呼吸器の病気は日本人の主要な死因の一つであり、肺炎は日本人の死因第5位です。また、肺がんは日本人男性のがん死亡率第1位、日本人女性のがん死亡率第2位です(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai23/dl/gaikyouR5.pdf)。
呼吸器疾患の多くは、早期発見・早期治療が予後を大きく左右します。例えば、肺がんは早期に発見されれば治癒率が高い一方、進行してから発見されると治療が困難になります。また、喘息やCOPDは適切な管理により、症状をコントロールし、生活の質を維持できます。
呼吸器内科の専門医は、最新の診断技術と治療法を用いて、これらの疾患に対応します。「たかが咳」と軽視せず、気になる症状があれば早めに呼吸器内科を受診することが重要です。
呼吸器内科の専門医の数
日本呼吸器学会によると、2023年時点で7594名の呼吸器専門医が認定されています(https://jmsb.or.jp/wp-content/uploads/2024/04/gaiho_2023.pdf )。他の専門医との比較(2023年データ)では、消化器病専門医23,706名、循環器専門医16,858名ですので、呼吸器専門医の数が多いとは言いがたい状況です。
都市部では専門医が比較的多く在籍していますが、地方では専門医の数が限られている地域もあります。そのため、住んでいる地域によっては、呼吸器内科の専門医がいる医療機関が近くにない場合もあります。
日本呼吸器学会のホームページでは、地域ごとの専門医検索ができるため、最寄りの呼吸器専門医を探す際に活用できます。
呼吸器内科を受診したいと思ったら
■受診の流れ
1. 医療機関を探す
呼吸器内科がある医療機関は、以下の方法で探すことができます。
- ・日本呼吸器学会のホームページで専門医を検索
- ・地域の医療機関検索サイト
- ・かかりつけ医からの紹介
- ・自治体の医療機関リスト
2. 予約をする
多くの呼吸器内科では、予約制を採用しています。事前に電話やインターネットで予約をしてから受診することをお勧めします。
3. 受診時に持参するもの
- ・マイナンバーカード(資格確認書)
- ・紹介状(かかりつけ医からの紹介がある場合)
- ・現在服用中の薬の情報(お薬手帳)
- ・過去の検査結果(胸部X線、血液検査など)
- ・症状のメモ(いつから、どのような症状か、悪化する時間帯など)
■伝えるべき症状
呼吸器内科を受診するときは、次に挙げる症状を医師に伝えるといいでしょう。事前にメモをしていくと、伝え忘れ防止に役立ちます。
1. 咳について
- いつから:○週間前、○ヶ月前
- どんな咳か:乾いた咳(コンコン)/湿った咳(痰が絡む)
- 出る時間帯:朝起きた時/夜間/常時
- 痰の有無と性状:色(白/黄色/緑/血が混じる)、量
- 何をした時に出るか:横になった時/運動時/会話中
2. 息切れ・呼吸困難
- どの程度の動作で息切れするか
- 階段を何段くらいで息が切れるか
- 平地歩行でも出るか
- 安静時でも苦しいか
- いつから症状が出たか
- 徐々に悪化しているか、急に出たか
3. 喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)
- いつ音がするか:息を吸う時/吐く時/両方
- 自分で聞こえるか、他人に指摘されたか
- 時間帯や季節による変化
4. 胸の痛み
- どこが痛いか
- どんな痛みか:鋭い痛み/圧迫感/締め付けられる感じ
- 呼吸で痛みが変わるか
- 体を動かすと痛むか
■持参・記録すべき情報
喫煙歴
- 喫煙の有無
- 吸っていた/吸っている場合
- 1日何本×何年間
- 禁煙した場合は何年前に止めたか
アレルギー・既往歴
- 花粉症、アトピー、食物アレルギーの有無
- 過去の肺や気管支の病気
- 喘息、肺炎、結核、気胸など
- 家族の呼吸器疾患歴
職業・生活環境
- 職業:粉塵やガスへの暴露、アスベスト
- ペットの飼育(鳥、犬、猫など)
- 自宅環境:カビ、ダニ、古い建物
現在の薬
- 飲んでいる薬の名前
- お薬手帳を必ず持参
- 特に血圧の薬、心臓の薬は重要
症状の経過メモ
- いつ、どんな症状が、どのくらい続いたか/何をした時に悪化したか/睡眠への影響(夜中に咳で目が覚めるなど)
呼吸器内科でよく行われる検査
症状や疑われる疾患に応じて、以下のような検査が行われます。
呼吸器内科で行われる主な検査一覧
| 検査名 | 検査の内容・目的 | 主な対象疾患 |
|---|---|---|
| 胸部X線検査 | 肺や心臓の影を確認する最も基本的な画像検査 | 肺炎、肺がん、気胸、胸水など |
| 胸部CT検査 | X線より細かく肺の断面を観察し、微細な病変を発見 | 肺がん、間質性肺炎、肺気腫など |
| 呼吸機能検査 | 肺活量や空気の通り道の狭さを測定(スパイロメトリー) | 喘息、COPD、間質性肺炎など |
| 呼気NO検査 | 吐く息の中に含まれる一酸化窒素を測り、炎症を数値化 | 喘息の診断・治療効果判定 |
| 血液検査 | 炎症反応、アレルギーの有無、腫瘍マーカーの確認 | 感染症、アレルギー疾患、肺がんなど |
| 痰(たん)の検査 | 痰を採取し、原因菌やがん細胞の有無を調べる | 肺炎、結核、肺がんなど |
| 気管支鏡検査 | 内視鏡(カメラ)を気管に挿入し、内部を直接観察・採取 | 肺がん・間質性肺炎の病理診断 |
一般的な診療の流れ
1. 問診
医師が症状の詳細、発症時期、悪化要因、既往歴、喫煙歴、アレルギーの有無などを詳しく聞きます。この情報が診断の重要な手がかりになります。
2. 身体診察
聴診器で呼吸音を聞いたり、胸部を叩いて音を確認したりします。これにより、気管支の狭窄、肺炎、胸水などの有無を推測できます。
3. 検査
症状に応じて、胸部X線検査、呼吸機能検査、血液検査などを行います。必要に応じて、CT検査や気管支鏡検査を追加することもあります。
4. 診断と治療方針の説明
検査結果をもとに診断を行い、治療方針を説明します。薬物療法、吸入療法、生活指導などが行われます。
5. 治療と経過観察
治療を開始した後は、定期的に受診して症状の変化や治療効果を確認します。慢性疾患の場合は、長期的な管理が必要になります。
近くに呼吸器内科がない場合
地方では、呼吸器内科の専門医がいる医療機関が近くにない場合もあります。そのような場合は、以下の方法を検討してください。
1. 一般内科を受診し、必要に応じて紹介してもらう
近くの一般内科やかかりつけ医を受診し、症状を相談してください。必要と判断されれば、呼吸器内科がある医療機関への紹介状を書いてもらえるでしょう。
2. 総合病院の内科を受診する
総合病院の内科には、呼吸器を専門とする医師が在籍していることがあります。電話で確認してから受診すると良いでしょう。
3. オンライン診療を活用する
最近では、オンライン診療を行っている呼吸器内科もあります。初診から対応しているクリニックもあるため、選択肢の一つとして検討できます。オンライン診療はビデオ通話等を用いるため、直接の聴診や触診、血液検査、レントゲン撮影などができません。医師が対面での診察や精密検査が必要と判断した場合は、必ず対面診療を受診する必要があります。 また、検査が必要な場合は、近くの医療機関と連携する必要があります。
4. 定期的に専門医のいる医療機関を受診する
慢性疾患の管理など、継続的な治療が必要な場合は、数カ月に一度、少し遠い専門医のいる医療機関を受診し、普段は近くのかかりつけ医で薬を処方してもらうという方法もあります。
子どもの咳の場合
呼吸器内科は基本的に成人を対象としています。子どもの呼吸器疾患は、小児科または小児呼吸器専門医が診療します。
子どもの咳や喘息などの症状がある場合は、まず小児科を受診してください。必要に応じて、小児呼吸器の専門医がいる医療機関を紹介してもらえます。
ただし、一部の呼吸器内科では、中学生以上であれば診療可能な場合もあります。事前に医療機関に確認することをお勧めします。
呼吸器内科に関するよくあるQ&A
Q1. 呼吸器内科と呼吸器外科の違いは何ですか?
A. 呼吸器内科は、薬物療法や吸入療法などの内科的治療を中心に行います。一方、呼吸器外科は、肺がんや気胸などに対して手術による治療を行います。治療方針は、病状に応じて決定されます。
Q2. 花粉症も呼吸器内科で診てもらえますか?
A. 花粉症の主な症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ)は耳鼻咽喉科が専門です。ただし、花粉症に伴う咳喘息や喘息がある場合は、呼吸器内科での治療が適しています。症状に応じて、適切な診療科を選んでください。
Q3. 禁煙外来は呼吸器内科で受けられますか?
A. はい、多くの呼吸器内科では禁煙外来を設けています。呼吸器疾患の予防やCOPDの進行抑制のためにも、禁煙は重要です。医師と相談しながら、禁煙プログラムを進めることができます。
Q4. 睡眠時無呼吸症候群も呼吸器内科で診てもらえますか?
A. はい、睡眠時無呼吸症候群は呼吸器内科の診療対象です。睡眠中の呼吸状態を検査し、CPAP療法などの治療を行います。いびきや日中の眠気が強い場合は、呼吸器内科に相談するのも一つの手です。
※治療に伴うリスクや副作用、費用については、医師と十分にご相談ください。
Q5. 呼吸器内科を受診するときに、何を準備すればいいですか?
A. 症状の詳細(いつから、どのような時に悪化するかなど)をメモしておくと、診察がスムーズです。また、現在服用中の薬、過去の検査結果、紹介状があれば持参してください。
Q6.新型コロナウイルスの感染が心配で受診をためらっています。対策はありますか?
A. まずは医療機関に電話で相談するのはいかがでしょうか? 多くのクリニックでは新型コロナウイルス感染症患者と一般患者の動線を分けています。また、オンライン診療という選択肢もあります。感染症を恐れて受診を控えた結果、重大な病気の発見が遅れる可能性があることも念頭におきましょう。
呼吸器内科に関する最新治療・トピックス
呼吸器診療は日々進歩しており、これまで治療が難しかった病気に対しても、新しい選択肢が増えています。
| カテゴリー | 最新のトピックス・治療法 | 患者さんへのメリット |
|---|---|---|
| 重症喘息 | 生物学的製剤(注射薬)の登場 | 吸入薬ではコントロールが難しかった重症の方でも、発作を劇的に減らせる可能性が高まりました。 |
| 肺がん | 免疫チェックポイント阻害薬 | 自身の免疫力を利用してがんを攻撃します。従来の化学療法より副作用を抑えつつ、長期的な効果が期待できます。 |
| COPD | 吸入配合剤の進化・初の生物学的製剤 | 複数の吸入薬を組み合わせることで、息切れの改善が向上しています。日本で初めてCOPDに生物学的製剤が保険適応されました。 |
| 最新技術 | AIによる画像解析の補助 | 胸部CT画像の解析にAIを導入。医師の目とAIの解析を組み合わせることで、肺がんなどの微細な病変の発見をサポートします。 |
まとめ

呼吸器内科は、咳、息切れ、喘鳴などの呼吸器症状に対して専門的な診療を行う診療科です。
「風邪が治ったのに咳が続く」「健康診断で呼吸器の異常を指摘された」といった場合は、呼吸器内科の受診を検討するといいでしょう。早期発見・早期治療により、多くの呼吸器疾患は適切にコントロールすることが可能になります。