最終医学的確認日:2026年10月
インフルエンザは突然の高熱や強い全身症状が特徴で、高齢者や乳幼児、持病のある方は重症化リスクがあります。2026/27シーズンは例年より流行開始が早いため、適切な知識と早めの備えが重要です。
この記事でわかること
- インフルエンザの定義と普通の風邪との主な違い
- 2026/27シーズンの流行状況と3価ワクチンの変更点
- 潜伏期間・発症後の経過と注意が必要なリスクグループ
- 迅速抗原検査と抗インフルエンザ薬による治療の流れ
- 重症化しやすい人と注意すべき主な合併症
- 予防接種の効果・最適な時期・費用と副反応への対処法
- 日常生活で実践できる3つの感染予防対策
- 感染・発症時の自宅での過ごし方と登校・出勤停止基準
インフルエンザとは?
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスが原因で起こる急性の呼吸器感染症です。1〜4日程度(平均約2日)の潜伏期間(※17)のあと、38℃以上の急な発熱や全身のだるさ、関節痛などが現れます。(※6)
インフルエンザと普通の風邪の主な違いは、以下のとおりです。
| 項目 | インフルエンザ | 普通の風邪 |
|---|---|---|
| 発症 | 突然、急激に始まる | 比較的ゆるやかに始まる |
| 発熱 | 38℃以上の高熱が多い | 微熱から高熱までさまざま |
| 全身症状 | 強い(悪寒、頭痛、関節痛、筋肉痛) | 軽い場合が多い |
| 合併症 | 肺炎、脳症など重症化することがある | 原因ウイルスによっては肺炎を起こすこともある |
インフルエンザは症状の始まり方や全身症状の強さに違いがあるため、強い症状が急に現れたときはインフルエンザを疑いましょう。
新型コロナウイルス感染症の流行後、インフルエンザで入院した子どもの症状や入院期間に変化がみられたとする研究報告もあります。(※1)重症化を防ぐためにも、予防と早めの受診を心がけましょう。
インフルエンザと風邪の症状の見分け方や受診の目安は、関連記事「インフルエンザと風邪の違い」もあわせてご覧ください。
インフルエンザの種類
インフルエンザウイルスは、A型、B型、C型、D型に大きく分類され、流行の原因となるのは主にA型とB型です。(※6)現在、ヒトの季節性インフルエンザとして流行しているA型の主な亜型は、A(H1N1)pdm09とA(H3N2)です。(※6)A型はウイルスの表面の形を少しずつ変えます。過去に感染して免疫があっても新しいウイルスには対抗しにくく、毎年流行を繰り返します。
A型・B型・C型それぞれの特徴や流行時期は、関連記事「インフルエンザの種類」もあわせてご覧ください。
2026/27シーズンの流行状況とワクチンの変更点
2026/27シーズンのインフルエンザは、9月の時点で全国的に患者が増えており、例年より早い流行となっています。(※8)厚生労働省によると、令和8年第39週(9月21日〜27日)の全国の定点当たり報告数(指定医療機関1か所あたりの週間患者数)は7.17でした。(※8)
インフルエンザの流行レベルは、以下の基準値を目安に判断されます。
| 定点当たり報告数 | 流行レベル | 状況の目安 |
|---|---|---|
| 1.00 | 流行開始 | 全国的な流行が始まった目安 |
| 10.00 | 注意報レベル | 今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性 |
| 30.00 | 警報レベル | 大流行が発生・継続している状態 |
今シーズンは本格的な冬を迎える前の9月下旬時点で「7.17」に達しており、流行入りの基準(1.00)を大幅に超えて注意報基準(10.00)に迫る異例のハイペースとなっています。昨年同期の約6.9倍というスピードで感染が拡大しているため、早めの警戒が必要です。(※8)
最新の流行状況は、以下の公的情報源で毎週確認できます。お住まいの地域の流行状況を定期的に把握し、日々の感染対策に役立てましょう。
| 情報源 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報提供サイト | 全国の流行レベルマップや、検出されたウイルスの型の情報を公開 |
| 厚生労働省 | インフルエンザの発生状況の報道発表資料で、毎週の患者報告数が更新 |
| お住まいの自治体のWebサイト、衛生研究所のデータ | 地域の保健所などが身近な流行状況や注意喚起を提示 |
2026/27シーズン ワクチンの変更点(3価ワクチンの継続と成分の見直し)
流行の始まりが早いため、ワクチンの早めの接種が大切です。2026/27シーズンのワクチンは、昨シーズンに続きA型2種類とB型1種類に対応する「3価ワクチン」が使われています。(※9)(※10)
ワクチンに含まれるウイルスの成分(製造株)は、今シーズン流行が予想される型に合わせて3種類すべてが昨シーズンから見直されました。(※9)(※10)インフルエンザウイルスは毎年少しずつ形を変えて流行するため、過去に感染したことがある方や、前シーズンに予防接種を受けた方であっても、今シーズン用に作られた新しいワクチンを接種して免疫をつける必要があります。
インフルエンザの主な症状と経過
インフルエンザは、38℃以上の急な発熱に加えて、頭痛、関節痛・筋肉痛、強いだるさなどの全身症状が急激に現れるのが特徴です。(※6)
発症から回復までの一般的な流れは、以下のとおりです。
- 感染から約1〜4日(平均約2日)の潜伏期間を経て発症する
- 突然の急な高熱と強い全身症状が現れる
- 熱が下がり始めるとともに、のどの痛みや咳、鼻水などの呼吸器症状が続く
- 多くの場合は1週間程度で回復する

多くの場合は自然に回復へ向かいますが、体調や年齢によっては重い合併症を起こすこともあります。(※6)まずは感染を広げないための潜伏期間やウイルス排出期間を押さえておきましょう。
症状ごとの特徴や風邪・新型コロナとの違い、受診の目安は、関連記事「インフルエンザの主な症状とは?」もあわせてご覧ください。
潜伏期間と人にうつる期間
インフルエンザの潜伏期間は通常1〜4日、平均約2日です。(※17)一般に発症前日から発症後3〜7日間はウイルスを排出するとされ、解熱後も周囲にうつす可能性があるため、症状があるあいだは外出を控えましょう。(※6)
※子ども、高齢者、妊婦など重症化しやすい方の注意点や主な合併症については、後述の「重症化しやすい人と主な合併症」で詳しく解説します。
感染から発症までの日数や発症のタイミングは、関連記事「インフルエンザの潜伏期間」もあわせてご覧ください。
インフルエンザの検査と治療
インフルエンザが疑われる症状があるときは、早めに医療機関を受診しましょう。特に高熱が続く、呼吸が苦しい、意識がもうろうとしているなどの症状があるときは、早急な受診が必要です。(※7)
医療機関では、綿棒などで鼻の奥などをぬぐって検体を採取し、短時間で結果がわかる「迅速抗原検査」などでインフルエンザウイルスの有無を調べます。発症直後はウイルス量が少なく、感染していても陰性と出てしまうことがあるため、発熱から一定の時間をおいて検査することがあります。(※16)ただし、症状が重い場合や持病がある方は、時間を待たずに受診してください。
治療には、ウイルスの増殖を抑える抗インフルエンザ薬が使われます。薬のタイプと一般名は、以下のとおりです。
| 薬のタイプ | 一般名(成分名) |
|---|---|
| 内服薬 | オセルタミビル、バロキサビル マルボキシル |
| 吸入薬 | ザナミビル、ラニナミビル |
| 点滴薬 | ペラミビル |
※医療広告規制のルールに基づき、医薬品の販売名(商品名)ではなく有効成分の一般名で記載しています。処方された薬の種類はお薬手帳などでご確認ください。
抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内に使い始めると、発熱期間を短くするなどの効果が期待できます。(※3)(※7)薬を使うかどうかは、年齢や症状、持病の有無などから医師が判断します。(※11)
また、インフルエンザにかかると、薬服用の有無にかかわらず、急に走り出す、飛び降りようとするなどの「異常行動」がみられることがあります。就学以降の子どもや未成年の男性で報告が多いため、発熱から少なくとも2日間は、子どもを一人にはせず、窓や玄関を確実に施錠する、なるべく1階の部屋で寝かせるといった安全対策を徹底しましょう。(※7)
重症化しやすい人と主な合併症
インフルエンザは多くの場合1週間ほどで自然に軽快しますが、免疫力が低下している方や持病がある方は重症化するリスクが高くなります。(※6)特に次のようなハイリスクグループに該当する方は、症状の現れ方や合併症に警戒が必要です。

重症化しやすい人と注意したい症状の特徴
- 65歳以上の高齢者:典型的な高熱が出ず、微熱や食欲不振、だるさだけで経過することがあります。本人の自覚がないまま肺炎などが重症化し、寝たきりのきっかけになる恐れもあります。
- 5歳未満の乳幼児:急激な発熱に伴うけいれんのほか、急性脳症や中耳炎のリスクがあります。(※6)(※18)機嫌が悪い、視線が合わないなど普段と違う様子がないか注意深く見守る必要があります。
- 妊婦:妊娠中は免疫のバランスが変化しており、通常よりも肺炎などを併発して重症化しやすいとされています。
- 基礎疾患のある方:喘息などの呼吸器疾患、心臓病、腎臓病、糖尿病、免疫機能が低下している持病がある方は、原疾患の悪化や重症肺炎のリスクが高まります。
注意すべき主な合併症
- 肺炎:高齢者や持病のある方に多くみられます。インフルエンザウイルスそのものによる肺炎のほか、体力低下に伴い細菌に二次感染して起こる細菌性肺炎にも注意が必要です。
- インフルエンザ脳症:主に小児(乳幼児〜未成年)にみられる極めて重篤な合併症です。意識障害やけいれん、意味不明な言動などが現れます。(※6)
- 中耳炎:乳幼児を中心に、解熱前後などに起こしやすい合併症です。
ハイリスクグループに該当する方は、発症から48時間以内に適切な治療を開始することが極めて重要です。(※7)症状が軽いうちでも、インフルエンザが疑われる場合は我慢せず、早めに医療機関を受診してください。
高齢者に多いインフルエンザ後の肺炎については、関連記事「インフルエンザと肺炎」もあわせてご覧ください。
妊娠中にインフルエンザにかかったときの赤ちゃんへの影響と対処法は、関連記事「妊婦がインフルエンザに感染したら」もあわせてご覧ください。
子供がインフルエンザにかかったときの受診の目安や登園・登校の基準は、関連記事「子供のインフルエンザの症状」もあわせてご覧ください。
インフルエンザ予防接種の基礎知識
インフルエンザの発症や重症化を防ぐには、予防接種が有効な手段です。ここでは、接種前に知っておきたい5つの基礎知識をわかりやすく解説します。
①インフルエンザ予防接種の効果と持続期間
②接種に適した時期と費用の目安
③ワクチン接種後の副反応と対処法
④子ども・高齢者・妊婦が接種する際の注意点
⑤新型コロナワクチンとの同時接種
①インフルエンザ予防接種の効果と持続期間
予防接種の最大の目的は、感染したときの「重症化や合併症を防ぐこと」です。
体内に抗体(ウイルスに対抗する力)を作っておくことで、万が一感染しても重篤な肺炎や脳症などを防ぐ効果が期待できます。
また、重症化だけでなく、ある程度「発病そのものを防ぐ効果」も認められています。(※2)厚生労働省が公表している有効性のデータは以下のとおりです。
| 対象者 | 報告されているワクチンの効果 |
|---|---|
| 65歳以上の高齢者(福祉施設の入所者) | 発病を34〜55%、死亡を82%防ぐ効果(※5) |
| 6歳未満の小児 | 発病防止の有効率が60%(※5) |
ワクチンの効果は、接種後約2週間で現れ始め、およそ5か月間持続すると考えられています。(※12)前シーズンにつけた免疫は時間とともに低下するため、毎年流行前に新しいワクチンを接種することが推奨されます。
なお、一般的な皮下注射ワクチンのほか、2歳以上19歳未満の方を対象とした鼻に噴霧する「経鼻弱毒生ワクチン」も選択肢となっています。注射が苦手なお子さんでも受けやすい一方、接種条件が注射と異なるため、希望する場合は事前にかかりつけ医へ相談しましょう。
②接種に適した時期と費用の目安
インフルエンザの予防接種は、効果が現れるまでの期間(約2週間)を考慮し、例年12月中旬までに終えることが望ましいとされています。(※6)日本では通常12月〜3月ごろにインフルエンザが流行しますが(※6)、前述のとおり今シーズンは9月から全国的な感染拡大が始まっています。(※8)流行が早い年は、ピークに備えて早めの予防接種をおすすめします。
費用の目安
インフルエンザの予防接種は病気の治療ではないため公的医療保険が適用されず、全額自己負担となり費用は医療機関によって異なります。
一般的な相場は以下のとおりです(2026年10月時点)。
- 注射ワクチン(不活化):1回あたり3,000〜5,000円程度
- 経鼻ワクチン(生ワクチン):1回あたり8,000円程度
高齢者の定期接種について
重症化リスクが高い以下の方は、予防接種法に基づく「定期接種」の対象となり、公費助成により一部自己負担または無料で接種できます。(※5)
- 65歳以上の方
- 60〜64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の機能、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能に重い障害(身体障害者手帳1級相当)がある方(※5)
助成金額や接種期間(または実施医療機関)、自己負担額は市区町村によって異なるため、お住まいの自治体ホームページや広報誌などで確認しましょう。
③ワクチン接種後の副反応と対処法
インフルエンザの予防接種により抗体が作られる過程で、一時的に副反応が起こることがあります。主な副反応は、接種した部位の赤みや腫れ、発熱などで、多くの場合は数日で自然に治まります。
インフルエンザワクチンの副反応への対処法は、以下のとおりです。
| 主な副反応 | 対処法 |
|---|---|
| 接種部位の赤み・腫れ・痛み | 濡れタオルなどで冷やすと、症状が和らぐことがある |
| 発熱・頭痛・だるさ | ・無理せず安静にし、水分を十分に補給する ・症状がつらい場合は、医師や薬剤師に相談のうえ、解熱鎮痛薬を使用する |
| 関節痛・筋肉痛 | 体を横にして安静に過ごす |
※市販の解熱鎮痛薬を使用する場合は、配合されている成分によってインフルエンザ流行期の使用が適さないもの(アスピリン系など)があるため、必ず医師・薬剤師にご相談ください。
非常にまれですが、接種後30分以内に強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることがあります。息苦しさやじんましん、意識の混濁などがみられた場合は直ちに救急対応が必要です。万が一に備え、接種後30分程度は医療機関内やその周辺で安静にして様子を見ましょう。
④子ども・高齢者・妊婦が接種する際の注意点
重症化リスクの高い年代や妊娠中の方は、事前の確認事項や接種方法に一部違いがあります。
| 対象者 | 注意点 |
|---|---|
| 13歳未満の子ども | ・注射の不活化ワクチンは、生後6か月以上13歳未満では原則2回接種。(1回目から2〜4週間の間隔をあけて接種)(※13) ・経鼻弱毒生ワクチンは、2歳以上19歳未満を対象に1回接種。(※6) ・特に乳幼児は、中耳炎や肺炎、脳症などの合併症リスクが高いため、早期の完了が望ましい。 |
| 高齢者 | 免疫力の低下や基礎疾患の影響で重症化しやすく、肺炎などを起こして寝たきりになることもあるため接種が推奨されている。 |
| 妊婦 | ・妊娠中は免疫の状態が変化し、通常より重症化しやすいため、接種が推奨されている。 ・注射の不活化インフルエンザワクチンは、妊娠中のどの時期でも接種可能とされている。 ・経鼻弱毒生ワクチンは妊婦には接種不可とされている。(※14) ・接種の際は、必ず妊婦健診を受けている産婦人科医に相談する。 |
妊娠中のワクチン接種によって作られた抗体は、胎盤を通じてお腹の赤ちゃんにも移行します。これにより、生後6か月未満でまだ予防接種を受けられない赤ちゃんをインフルエンザから守る効果も期待できます。
⑤新型コロナワクチンとの同時接種
インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンは、医師が認めた場合同じ日に接種することができます。
以前は異なるワクチンを打つまでに2週間以上の間隔をあける必要がありましたが、現在は安全性と有効性が確認されたため、同日の接種が可能となっています。(※15)
同時接種する際は、左右の腕に1本ずつ打つことが一般的です。通院が1回で済むメリットがある一方、発熱や腕の腫れや痛みといった副反応が起こる可能性があるため、ご自身の体調やスケジュールに合わせて、医師と相談しながら計画を立てましょう。
日常生活でできる感染予防対策
予防接種に加え、日々の生活で感染対策を習慣づけることが、ご自身と大切なご家族をインフルエンザから守る鍵です。今日からすぐに始められる感染予防対策は、以下の3つです。
①手洗い・マスク・アルコール消毒
②室内の湿度管理と定期的な換気
③バランスのいい食事・十分な睡眠・適度な運動

①手洗い・マスク・アルコール消毒
インフルエンザをはじめとした感染症対策の基本は、ウイルスを体内に侵入させないことです。以下の表に、感染対策のポイントをまとめました。
| 対策 | ポイント |
|---|---|
| 手洗い | ・外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などにこまめに行う ・石けんを十分に泡立て、指先や爪の間、親指の付け根、手首などを意識しながら30秒ほどかけて丁寧に洗う |
| マスクの着用 | ・人混みや医療機関を受診する際は、フィルター性能の高い不織布製のマスクを、隙間なく着用する |
| アルコール消毒 | ・水道が近くになく、すぐに手洗いができない場合にも行える ・手が濡れていると効果が弱まるため、水分を拭き取ってから十分な量のアルコール消毒液を手に取り、乾くまで指先や手のひら全体によくすり込む |
ウイルスは、多くの人が触れるドアノブや電車のつり革など、さまざまな場所に付着している可能性があります。手洗いや消毒を終えるまでは、無意識に目や鼻、口などの粘膜に触れないよう意識しましょう。
②室内の湿度管理と換気
インフルエンザウイルスは、低温で乾燥した環境を好むため、室内の温度・湿度のコントロールが有効です。
空気が乾燥すると、のどや鼻の粘膜も乾き、ウイルスを外へ押し出すバリア機能(繊毛運動)が低下します。加湿器を置いたり、濡れたタオルや洗濯物を室内に干したりして、湿度を50〜60%に保つようにしましょう。湿度計を室内に置き、こまめに確認することをおすすめします。
また、ウイルスが室内に留まるのを防ぐために1時間に1〜2回窓を開け、数分程度換気しましょう。対角線にある2か所の窓を開けて空気の通り道を作ると、効率良く換気できます。
③バランスのいい食事・十分な睡眠・適度な運動
インフルエンザウイルスに負けない体を作るには、体の内側から免疫力を高めることが欠かせません。免疫力とは、体に備わっている病原体から身を守る防御システムのことです。
免疫力を高めるために、以下の生活習慣を取り入れましょう。
| 生活習慣 | 具体例 |
|---|---|
| バランスの良い食事 | 特定の食品に偏らず、主食・主菜・副菜を揃え、ビタミンやタンパク質を含む野菜・魚・肉・大豆製品などをまんべんなく摂取する |
| 十分な睡眠 | 規則正しい生活リズムを守り、自分に合った十分な睡眠時間を確保して疲労をためない |
| 適度な運動 | ウォーキングなどの適度な運動で血行を促進し、免疫細胞の働きを助ける |
※激しすぎる運動や急激な疲労は、かえって一時的に体の抵抗力を下げることがあります。無理のない範囲で心地よく続けられる習慣を取り入れましょう。
ワクチン接種と日常生活でできる予防の工夫は、関連記事「インフルエンザの防ぎ方」もあわせてご覧ください。
インフルエンザにかかったときの過ごし方
インフルエンザと診断されたら、あるいは疑わしい症状が出たときは、無理をせず体を休めることが最優先です。自宅療養の際は、次の基本を守って過ごしましょう。
自宅療養の基本
- 十分な睡眠と安静:体を横にしてしっかり休息をとり、体力の消耗を防ぎます。
- こまめな水分補給:高熱で多量の汗をかくと脱水症状を起こしやすくなります。経口補水液やスポーツドリンク、麦茶などで少しずつ水分を補給しましょう。
- 解熱鎮痛薬の自己判断に注意:市販の解熱鎮痛薬の中には、インフルエンザ流行期の服用が適さない成分(小児のアスピリンなど)が含まれている場合があります。熱がつらいときは自己判断で市販薬を飲まず、処方された薬を指示どおりに使うか、医師・薬剤師に相談してください。
すぐに医療機関を受診する目安となるサイン
経過中に次のような症状がみられた場合は、肺炎やインフルエンザ脳症などの重症化が疑われます。夜間や休日であっても、直ちに救急医療機関を受診してください。
- 意識がもうろうとしている、呼びかけに応えない
- けいれん(ひきつけ)が起きている
- 呼吸が速い、息苦しそうに肩で呼吸している
- 意味不明な言動がある、異常におびえている
- 嘔吐が続いて水分がまったく摂れない、顔色が明らかに悪い
登校・出勤の目安
学校保健安全法施行規則により、インフルエンザの出席停止期間は「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」と定められています。(※4)(※7) ※日数を数える際、発症した日や解熱した日は「0日目」とし、その翌日を「1日目」としてカウントします。
一方、大人の出勤停止については法律上の明確な決まりはありません。ただし、周囲への感染拡大を防ぐため、学校の基準と同様に「発症後5日、かつ解熱後2日程度」を目安に療養することが望ましいとされています。職場によって独自の就業規則や出勤停止基準が定められている場合もあるため、勤務先の規定を事前に確認して指示に従いましょう。
インフルエンザに関するよくある質問
予防接種を受けてもインフルエンザにかかることはありますか?
かかることがあります。インフルエンザワクチンは、麻しんや風しんのワクチンのような高い発病予防効果は期待できないとされています。(※6)しかし、体内にあらかじめ抗体を作っておくことで発症のリスクを抑える効果に加えて、万が一かかった場合の肺炎や、インフルエンザ脳症といった重症化を防ぐ効果が期待されています。(※7)
A型にかかったあと、同じシーズンにB型にかかることはありますか?
かかることがあります。A型とB型はウイルスの構造が違うため、A型に感染して抗体ができたとしても、その抗体でB型の感染を防ぐことはできません。同じシーズン中にA型とB型の両方に感染するケースも珍しくないため、一度治ったあとも油断せず手洗いなどの予防対策を続けましょう。
熱が下がったら、学校や仕事に行ってもいいですか?
学校は出席停止期間(発症後5日、かつ解熱後2日/幼児は3日)が法律で義務付けられています。大人の出勤には法的規定はありませんが、周囲への感染を防ぐため同等の休養期間を目安とし、職場の就業規則に従いましょう。
インフルエンザは何日くらいで治りますか?
多くの場合は、発病後1週間程度で回復します。(※6)ただし、肺炎や脳症などの重い合併症が現れることもあります。症状が長引くときや悪化したときは、早めに医療機関を受診しましょう。
まとめ|2026/27シーズンのインフルエンザは「早めのワクチン」と「日常の予防」が鍵
インフルエンザ対策で何よりも大切なのは、「事前の予防接種」と「日々の感染対策」を組み合わせることです。予防接種は発症を100%防ぐものではありませんが、体内に免疫を作っておくことで、肺炎や脳症といった命に関わる重症化を予防するための最も心強い備えとなります。
特に2026/27シーズンは、9月の時点で注意報基準に迫るなど、例年を大幅に上回るスピードで全国的な流行が始まっています。ワクチンの成分も今シーズン用に刷新されているため、前年に接種を受けた方も含め、できる限り早めの予防接種を検討してください。
あわせて、こまめな手洗いやアルコール消毒、室内の湿度管理、十分な睡眠と休養を心がけ、ウイルスを体内に侵入させない生活環境を整えましょう。
インフルエンザは「ただの風邪」ではなく、急激な高熱や強いだるさを伴う油断できない感染症です。ご自身と大切なご家族を守るために正しい備えを進め、万が一体調に異変を感じたときは無理をして出勤や登校を続けず、早めに医療機関へ相談してください。
発熱や咳など症状が似ていて、同じ時期に流行しやすい感染症に関連する記事はこちら⇒コロナウイルスとは?




