目の奥が痛い原因で最も多いのは、目の使いすぎによる眼精疲労です。多くは休息で和らぎます。一方、激しい痛みに頭痛や吐き気をともなうとき、急に見えにくくなったとき、目を動かすと痛むときは、急性緑内障発作や視神経炎など、視力や視野に影響する目の病気の可能性があるため、様子を見ずに眼科を受診してください。この記事では日本眼科学会認定の眼科専門医が、危険なサインと原因の見分け方、受診先を解説します。
この記事でわかること
- 様子を見ずに受診すべき「3つの危険なサイン」と、受診のタイミング
- 痛み方や一緒に出る症状から考えられる、眼科的な原因と眼科以外の原因
- 頭痛をともなう場合、片目だけ痛む場合の見分け方
- 眼科・脳神経内科・耳鼻咽喉科など、どこを受診すればよいか
目の奥が痛いとき、様子を見てはいけないサイン
目の奥の痛みは、大きく分けると、休息で改善する疲れ目のようなものと、急いで受診が必要なものの2つに分かれます。数のうえでは前者が大半です。しかし、次に挙げる危険なサインがあるときは、緊急性のある病気の可能性があるため、原因を自分で考えるより受診を優先してください。
どこを受診すればよいか迷ったときは、まず眼科で構いません。目そのものの病気か、目以外が原因かを、眼科の検査で見分けられるためです(詳しくは「何科を受診すればいい?」の章で解説します)。この章では、急を要する代表として急性緑内障発作と視神経炎を詳しく取り上げ、そのほかの急を要する病気は表にまとめます。
緊急性のある目の奥の痛みとは?
目の奥の痛みにともなう他の症状が重要です。次の3つのサインのどれかをともなうときは、治療を急ぐ必要がある目の病気である可能性があるため、様子を見ずに受診してください。
① 頭痛・吐き気・嘔吐
② 見え方の異常(急な視力低下、かすむ、光の周りに輪がかかって見える、視野の欠け)
③ 目を動かすと痛む
- 目の奥の激しい痛みに①や②をともなう場合:急性緑内障発作の可能性があります。(夜間・休日は救急外来)。
- ②と③をともなう場合:視神経炎などの可能性があります。できるだけ早く、眼科の診療時間内に受診してください(診療時間外に気づいたときは、翌日の日中に)。
いずれも先延ばしにしないことが大切です。このほかにも、目の奥の感染(眼窩蜂窩織炎)や、脳・血管の病気などで急を要することがあります。これらは3つのサインに加えて、まぶたの腫れと発熱、まぶたの下がりやものが二重に見えるといった症状が手がかりになります。詳しくは後述します。

受診のタイミングの目安:今すぐか、診療時間内か、様子を見てよいか
受診のタイミングは、次の表を目安にしてください。
急ぐ病気でも、本来は眼科の診療時間内に受診するのが最善です。医師やスタッフがそろい、必要な検査ができるためです。ただし、診療時間外に起きた場合、朝まで待つと視力や命に関わる病気もあります。これが表の「今すぐ」にあたり、夜間・休日でも救急外来を受診してください。救急外来では眼科の専門的な検査が十分にできないこともありますが、それでも受診したほうが目を守れる可能性が高まります。それ以外の急ぐ病気は、眼科の診療時間内にできるだけ早く受診してください。区分に迷うときは、早いほうを選んでください。
| 受診のタイミング | 主な症状 | 考えられる主な病気 |
|---|---|---|
| 今すぐ(夜間・休日は救急外来) | ・激しい痛みに頭痛・吐き気・嘔吐をともなう ・急に見えにくくなった・視野が欠けた ・片目の強い痛みと充血に、かすみや光の周りの輪をともなう ・まぶたの腫れと発熱、目の動かしにくさがある ・高齢の方で、こめかみの痛みとともに見えにくくなった ・手術や目のけがのあとに、強い痛みと見えにくさが出た | 急性緑内障発作、眼窩蜂窩織炎、 眼内炎、巨細胞性動脈炎など |
| 診療時間内にできるだけ早く (時間外に気づいたら翌日の日中) | ・目を動かすと奥が痛み、片目の見え方が数日かけて悪くなる(色がくすんで見えるなど) ・充血とまぶしさをともなう痛み、眼球の奥に響くような強い痛み | 視神経炎、ぶどう膜炎・強膜炎など |
| 数日様子を見て、改善しなければ受診 | ・目の疲れとともに軽い痛みがある ・夕方や作業後に痛み、休むと軽くなる ・充血や痛みが軽く、視力は保たれている ・ここ数日で悪化していない | 眼精疲労など |
急を要する代表① 急性緑内障発作
急性緑内障発作(急性閉塞隅角緑内障)は、眼球内の水の出口が急にふさがって眼圧(眼球の硬さ)が急激に上がり、視神経を急速に障害する病気です。片目の激しい痛みに、同じ側の頭痛、吐き気や嘔吐、かすんで見える(霧視)、光の周りに輪がかかって見える(虹視症)、充血、視力低下などをともないます。(※1)
吐き気や嘔吐があるため、胃腸の不調や頭の病気と間違われ、眼科への受診が遅れることがあります。眼圧が高い状態が続くと、短時間で視神経が傷み、視野や視力が回復しにくくなることがあります。時間との勝負になる病気です。夜間や休日で眼科が開いていないときは、救急外来を利用してください。
急を要する代表② 視神経炎
視神経炎は、目と脳をつなぐ視神経に炎症が起きる病気です。片目の視力低下、色が今までよりくすんで見える(とくに赤色がわかりにくい)、目を動かすと目の奥が痛む、視野の中心が見えにくいといった症状が、数日のうちに進みます。痛み自体は強くないこともありますが、目を動かしたときの奥の痛みが特徴的で、実際に視神経炎の方は「目を動かすと目が痛い」と訴えられることが多いです。(※2)
視神経炎は、中枢神経の病気の初発症状であることがあり、なかには早期治療が重要な病気もあります。このため、できるだけ早く、眼科の診療時間内に受診してください(診療時間外に気づいたときは、翌日の日中に)。
その他の急を要する目の病気
急性緑内障発作と視神経炎のほかにも、目の奥の痛みで急を要する目の病気があります。前述の3つのサインに加えて、表の症状も手掛かりになります。
| 病気 | 主な症状 | 特徴・放置した場合のリスク | 受診の目安 |
|---|---|---|---|
| 眼窩蜂窩織炎(目の奥の感染) | 目の奥の痛み、まぶたの赤い腫れ、眼球の突出、目の動かしにくさ、発熱 | 眼球周囲の眼窩の細菌感染。副鼻腔炎から広がることが多い。進行すると視神経の圧迫で視力障害、まれに脳の重大な合併症を起こす | 今すぐ受診 |
| 眼内炎(目の中の重い感染) | 強い痛み、急激な視力低下、充血 | 眼球の内部に感染が起きたもの。手術や目のけがのあとに多い。感染が網膜に及ぶと、視力が回復しにくくなることがある | 今すぐ受診 |
| 巨細胞性動脈炎 | こめかみなどの強い頭痛、視力障害 | 50歳以上に多い、太い血管に炎症が起きる指定難病の血管炎。放置すると失明や脳梗塞に至ることがある(※7) | 今すぐ、眼科と内科(リウマチ・膠原病内科など) |
まぶたの腫れが気になる方は、関連記事「突然まぶたが腫れる原因は?片目だけ腫れたときの見分け方と受診の目安」もあわせてご覧ください。
まぶたの下がり・複視・瞳の左右差、突然の激しい頭痛:脳・血管の病気
目の奥の痛みの原因は、眼科の病気に限りません。次のような症状は脳や血管の病気のサインのことがあり、目の奥や目の周りの痛みをともなうこともあります。痛みがなくても、これらの症状があるときは今すぐ受診してください。
| 主な症状(痛みがなくても受診) | 考えられる病気 | 受診の目安 |
|---|---|---|
| まぶたの下がり・ものが二重に見える(複視)・片方の瞳が大きくなる、といった症状が急に現れる (目の奥や目の周りの痛みをともなうこともある) | 脳動脈瘤 (破裂の前ぶれのことがある) | 今すぐ(夜間・休日は救急外来) |
| 片側のまぶたの下がり・瞳が小さくなる (首や顔、目の周りの痛みをともなうこともある) | 内頸動脈解離 | 今すぐ(夜間・休日は救急外来) |
| 今までに経験したことのない突然の激しい頭痛 (視力の低下や目のかすみをともなうこともある) | くも膜下出血など | ためらわず救急 |
- 脳動脈瘤(脳の血管にできたこぶ):破裂する前はほとんど症状がありません。ただし、大きくなって目を動かす神経(動眼神経)を押すと、表の症状が急に現れることがあり、破裂の前ぶれのことがあります。
- 内頸動脈解離(首の太い血管の壁が裂ける病気):脳梗塞につながることがあります。
- くも膜下出血:頭痛とともに、視力の低下や目のかすみが現れることがあります(眼球内の出血をともなう場合があり、テルソン症候群と呼ばれます)。
目の奥が痛いとはどんな症状?痛み方でわかること
目の奥の痛みとは、眼球の奥やその周囲に感じる、重い・ズキズキする・締めつけられるような痛みのことです。目の病気だけでなく、頭痛や副鼻腔炎などが原因のこともあります。
前章で目の奥の痛みにともなう症状が重要であることを強調しましたが、目の奥の痛み方の特徴によっても、疲れによるものか、急いで受診すべきものかの手がかりが得られます。痛みにともなう他の症状の特徴とともに、痛み方の特徴も参考にしてください。
| 痛み方 | 考えられる主なもの |
|---|---|
| ズキズキ・ガンガンする拍動性の痛み | 片頭痛や群発頭痛など、頭痛に関連することが多い |
| 鈍く重い・締めつけられる痛み | 眼精疲労や緊張型頭痛でみられやすい |
| 目を動かすと目の奥が痛む | 視神経炎や、眼窩(目の奥)の炎症 |
| 片目の激しい痛み(同じ側の頭痛・吐き気をともなう) | 急性緑内障発作など |
目の奥が痛くなる眼科的な原因
目の奥の痛みが出たら、まず痛みの原因が目に存在する病気を考えます。頻度が高いのは眼精疲労です。急を要する病気は前章で詳しく取り上げているため、ここでは要点のみを再掲し、それ以外の原因を中心に見ていきます。
目の疲れとともに重く痛む:眼精疲労・調節緊張・調節けいれん
最も多い原因です。近くを見続けると、ピントを合わせる筋肉(毛様体筋)が緊張し続け、ぼやけたり、目の疲れを感じます。これを調節緊張といいます。パソコンやスマートフォンの長時間使用、休憩の不足、目に合わない度数の眼鏡などが背景になります。休むと軽くなり、作業を続けると強まるのが特徴です。重くなると目の奥の痛みを感じ、激しい頭痛や吐き気をともなうこともあります。これを調節けいれんといい、これらをまとめて眼精疲労と呼ぶこともあります。(※3)ただし、急に強い痛みが出たときや、見え方に異常があるときは、眼精疲労と決めつけず受診してください。
急を要する目の病気の要点:急性緑内障発作・視神経炎など
次の病気は、目の奥の痛みの原因のなかでも急を要します。
- 急性緑内障発作:激しい痛みに頭痛・吐き気をともなう。今すぐ受診(夜間・休日は救急外来)
- 視神経炎:目を動かすと痛み、片目が見えにくい。眼科の診療時間内にできるだけ早く受診
- 眼窩蜂窩織炎:まぶたの腫れと発熱をともなう。今すぐ受診
- 眼内炎:手術や目のけがのあとの強い痛み。今すぐ受診
- 巨細胞性動脈炎:高齢の方のこめかみの痛みと見えにくさ。今すぐ、眼科と内科(リウマチ・膠原病内科など)を受診
目の奥が痛くなる眼科以外の原因
目の奥の痛みは、周囲の器官や全身の状態が原因のこともあります。概要と受診先をまとめます。
ズキズキ・締めつけ感をくり返す:頭痛(片頭痛・群発頭痛・緊張型頭痛)
頭痛にともなって目の奥が痛むことは多く、タイプによって痛み方が異なります。(※5)
- 片頭痛:片側のズキズキする痛みと、吐き気・光への過敏
- 群発頭痛:片目の奥をえぐられるような激痛が、一定期間くり返し起こる
- 緊張型頭痛:締めつけられるような鈍い痛み
目そのものの異常ではなく、痛みが目の奥に感じられるもので、頭痛が主体なら脳神経内科や頭痛外来が適しています。ただし、片目の激しい痛みは急性緑内障発作と紛らわしいため、迷うときはまず眼科で目の病気がないかを確認してもらうのも一つの方法です。
鼻づまりやかぜのあとに重く痛む:副鼻腔炎
鼻の奥の空洞(副鼻腔)に炎症が起きると、目の奥や周囲、頬、額に痛みや重さが出ることがあります。鼻づまり・膿のような鼻水・発熱をともなうことが多く、前かがみや頭を下げる姿勢で悪化する傾向があります。見え方には影響しないのが一般的です。かぜのあとに目の奥や頬の重い痛みが続く場合は、耳鼻咽喉科が適しています。ただし、まぶたが赤く腫れてきた、目が動かしにくい、見え方が変わったといった場合は、炎症が目の奥に広がっている(眼窩蜂窩織炎)可能性があるため、今すぐ受診してください。(※6)
まぶたの下がり・複視、突然の激しい頭痛:脳や血管の病気【急を要する】
まれですが、脳動脈瘤や内頸動脈解離、くも膜下出血などの脳や血管の病気が、目の奥の痛みや目の症状として現れることがあります。まぶたの下がり、ものが二重に見える、瞳の大きさの左右差が急に現れたときは、目の奥の痛みがなくても今すぐ受診してください(夜間・休日は救急外来)。今までに経験したことのない突然の激しい頭痛は、ためらわず救急を受診してください。
くも膜下出血の前ぶれとなる症状については、関連記事「くも膜下出血の前兆は?特徴的な症状と注意すべきケースを解説」もあわせてご覧ください。
発熱や睡眠不足のときに重く感じる:全身的な要因
発熱をともなう感染症(かぜやインフルエンザなど)や、自律神経の乱れ、睡眠不足などでも、目の奥の重さや痛みを感じることがあります。多くは原因となる状態が落ち着けば軽くなりますが、見え方の変化や強い痛みをともなう場合は、目そのものの病気がないかを確認しておくとよいでしょう。
目の奥の痛みに頭痛をともなう場合、どう見分ける?
目の奥の痛みに頭痛をともなうとき、痛み方や随伴症状で、ある程度あたりをつけられます。ただし自己診断はせず、あくまで受診先を考える目安としてご覧ください。
| タイプ | 痛み方 | 時間帯・経過 | 随伴症状 | 受診先の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 片頭痛 | 片側がズキズキ拍動する | 数時間〜数日 くり返す | 吐き気 光・音への過敏 | 脳神経内科・頭痛外来 |
| 群発頭痛 | 片目の奥をえぐる激痛 | 一定期間 毎日同じ時間帯に | 目の充血・涙 鼻づまり | 脳神経内科・頭痛外来 |
| 緊張型頭痛 | 締めつけられる鈍い痛み | 持続的 夕方に強いことも | 肩こり 目の疲れ | 脳神経内科・内科 |
| 副鼻腔炎 | 目の奥・頬・額の重い痛み | 前かがみで悪化 | 鼻づまり 膿性鼻汁、発熱 | 耳鼻咽喉科 |
| 急性緑内障発作 | 片目の激痛+同じ側の頭痛 | 急激 | 吐き気・嘔吐 視力低下、充血 | 今すぐ眼科 (夜間・休日は救急外来) |
表のうち、急性緑内障発作だけは眼科の緊急疾患です。片目の激しい痛みと頭痛・吐き気が同時に来たときは、頭の病気と決めつけず、眼科の受診も考えてください。
片目だけ痛む場合に注意したいこと
目の奥の痛みが片目だけの場合は、その側に起きた局所的な原因を考えます。両目に起こるものと分けて整理します。
| 片目に多い | 両目に起こりやすい |
|---|---|
| 急性緑内障発作 | 眼精疲労・調節緊張 |
| 視神経炎 | ドライアイ |
| 群発頭痛 | 緊張型頭痛 |
| 眼窩の感染・眼周囲の炎症 | 屈折異常・度数の不適合 |
| 片側の副鼻腔炎、コンタクトによる角膜の傷 | かぜなど全身の要因 |
片目だけの痛みには、急を要する病気(急性緑内障発作・視神経炎など)が含まれる点に注意が必要です。片目の激しい痛みや、片目だけの急な見えにくさがあるときは、様子を見ずに受診してください。ただし、片目だけ=重い病気とは限らず、疲れ目やドライアイが片側に強く出ることもあります。
様子を見てよい痛みと、すぐ眼科へ行くべき痛み
様子を見てよい場合と、今すぐ受診すべき場合を対比します。右の列に1つでも当てはまるときは、様子を見ずに今すぐ受診してください。
| 様子を見てもよい目安(条件つき) | 今すぐ眼科へ |
|---|---|
| 目の疲れとともに軽く痛み、休むと和らぐ | 激しい痛みに頭痛・吐き気・嘔吐をともなう |
| 夕方や長時間の作業後に痛む | 光の周りに輪が見える |
| 視力は保たれている | 急に見えにくくなった・視野が欠けた |
| 充血や痛みが軽い | 片目の強い痛みと充血に、かすみや光の周りの輪をともなう |
| ここ数日で悪化していない | まぶたの腫れと発熱、目の動かしにくさがある |
なお、目を動かすと目の奥が痛む場合(とくに片目の見えにくさをともなうとき)は、前述のとおり、できるだけ早く、眼科の診療時間内に受診してください(診療時間外に気づいたときは、翌日の日中に) 。左の列に当てはまる場合でも、数日たっても改善しない・悪化するときは受診してください。
判断が難しいのは、軽い〜中程度の我慢できる範囲の痛みのときです。痛みだけでなく、次の点を順に確かめてみてください。
- 見え方:かすみ・視力低下・視野の欠けがないか
- 白目:鏡で見て、充血していないか
- まぶた:腫れていないか
- 目の位置:左右でずれていないか、飛び出していないか
- 時間経過:痛みが強まっていないか
それでも判断できないときは、早めに最寄りの眼科を受診し、眼科医のアドバイスを受けてください。
目の奥が痛いときは何科を受診すればいい?
どこを受診するか迷ったときは、まず眼科で構いません。目そのものの病気か、目以外の原因かを、視力・眼圧・眼底などの検査で区別できるためです。そのうえで、他科が適するとわかった場合は、眼科医の指示に従って適する科に受診する流れになります。
| こんなとき | 受診先の目安 |
|---|---|
| 原因がはっきりしない目の奥の痛み全般 | まず眼科 |
| 激しい痛みに頭痛・吐き気、 急な視力低下・視野の欠け | 今すぐ眼科 (夜間・休日は救急外来) |
| 目を動かすと奥が痛み、 片目が見えにくい | 診療時間内にできるだけ早く眼科 (時間外なら翌日の日中) |
| 充血とまぶしさをともなう痛み 眼球の奥に響くような強い痛み | 診療時間内にできるだけ早く眼科 (時間外なら翌日の日中) |
| 高齢の方で、こめかみの痛み とともに見えにくくなった | 今すぐ、眼科と内科 (リウマチ・膠原病内科など) |
| ズキズキする頭痛が 主体でくり返す | 脳神経内科・頭痛外来 |
| 鼻づまり・膿のような、 鼻水・発熱をともなう | 耳鼻咽喉科 |
| まぶたの下がり・複視・瞳の左右差 (痛みの有無にかかわらず) | 今すぐ医療機関 (脳神経外科など。夜間・休日は救急外来) |
| 今までにない突然の 激しい頭痛・目の奥の痛み | 救急 (脳神経外科など) |

目の奥の痛みを放置するとどうなる?
目の奥の痛みの多くは、休息や適切な対処で改善し、放置しても大事に至らないことがほとんどです。一方で、すぐ受診が必要な病気の場合は、受診が遅れたり放置してしまうと視力や視野に影響が及ぶ可能性があります。すぐ受診する必要があるのは、このためです。
| 病気 | 放置した場合に起こりうること |
|---|---|
| 急性緑内障発作 | 眼圧の高い状態が続くと、短時間で視神経が傷み、視野や視力の障害が回復しにくくなることがある |
| 視神経炎 | 背景にある病気によっては、治療が遅れると視力の回復が難しくなることがある |
| 眼窩蜂窩織炎・眼内炎 | 感染が重くなると、視力に影響が残ることがある |
| 巨細胞性動脈炎 | 失明や脳梗塞に至ることがある |
| ぶどう膜炎・強膜炎 | 炎症をくり返す・長引くと、白内障や緑内障などの合併症につながることがある |
早く受診して適切に対処すれば避けられることが多いです。
眼科ではどんな検査をする?受診時に伝えるとよいこと
眼科では、目の奥の痛みの原因を調べるために、いくつかの基本的な検査を組み合わせます。痛みに配慮した方法で、短時間で終わるものが中心です。
主な検査
- 視力検査(必須):見え方が落ちていないかを確認します
- 眼圧検査(必須):眼球の硬さ(眼圧)を測ります。急性緑内障発作の診断に重要です
- 細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査(必須):目の表面や前の部分を拡大して調べます
- 眼底検査(必須):視神経や網膜の状態を調べます
- OCT検査(必要時):網膜の断面を撮影し、目の奥の網膜に異常がないかを精密に調べます
- 視野検査(必要時):見えている範囲が欠けていないかを調べます
受診時に伝えるとよいこと
次の情報を伝えると、診断がスムーズになります。
- いつから、どんなときに痛むか
- 片目か両目か
- 見え方の変化(視力低下・かすみ・視野の欠け)の有無
- 頭痛・吐き気・鼻の症状・発熱などの有無
- 持病や服用中の薬
目の奥の痛みを起こしにくくする日常の工夫
目の奥の痛みの原因として頻度の高い眼精疲労は、日々の工夫である程度は起こりにくくできます。特別な器具や訓練は必要ありません。無理なく続けられることを挙げます。(※3)
- 画面作業は、1時間を超えて続けないことを目安に10〜15分の休憩を入れ、作業の合間にも遠くを見て目を休める(※8)
- 画面と目の距離はパソコンでは40cm以上、タブレットやスマホでは30cm以上とり、画面の明るさは周囲との差が大きすぎないように調整する(※8)(※10)
- 意識してまばたきをし、乾燥が気になるときは加湿や点眼を検討する
- 眼鏡やコンタクトレンズの度数を定期的に見直す
- 睡眠を十分にとり、目を休める時間を確保する
これらを続けても痛みが改善しない、あるいは見え方に変化があるときは、別の原因が隠れていることがあります。無理に自分で対処せず、眼科でご相談ください。
よくある質問(FAQ)
まとめ:目の奥が痛いときは、まず「3つの危険なサイン」を確認
目の奥が痛いときは、まず「①頭痛・吐き気・嘔吐」「②見え方の異常(急な視力低下、かすみ、光の周りの輪、視野の欠け)」「③目を動かすと痛む」の3つのサインがないかを確認してください。目の奥の激しい痛みに①や②をともなうときは、夜間・休日でも今すぐ受診してください。②と③をともなうときは、できるだけ早く、眼科の診療時間内に受診してください(診療時間外に気づいたときは、翌日の日中に)。
こうしたサインがなければ、多くは眼精疲労など休息で改善します。
ただし、まぶたの腫れと発熱、まぶたの下がりやものが二重に見えるといった症状があるときは、3つのサインがなくても今すぐ受診してください。今までに経験したことのない突然の激しい頭痛は、ためらわず救急を受診してください。数日たっても改善しない・悪化するときも受診してください。受診先に迷うときは、まず眼科で構いません。
参考文献
- ※1 日本眼科医会 よくわかる緑内障―診断と治療― | 目についての健康情報
- ※2 日本眼科学会 視神経症(視神経炎)|日本眼科学会による病気の解説
- ※3 日本眼科学会 眼精疲労(目の疲れ)|日本眼科学会による病気の解説
- ※4 日本眼科学会 ぶどう膜炎|日本眼科学会による病気の解説
- ※5 日本頭痛学会 頭痛について知る
- ※6 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 鼻の病気
- ※7 難病情報センター 巨細胞性動脈炎(指定難病41)
- ※8 厚生労働省 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン
- ※9 厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル 緑内障
- ※10 公益社団法人 日本眼科医会 はたらく人の目を守る眼科検診ハンドブック




