最終医学的確認日:2026年7月
月経不順や治りにくいニキビ、原因のわからない体重増加に悩んでいませんか。それらの不調は、多内分泌代謝性卵巣症候群(PMOS)のサインかもしれません。 PMOSは生殖年齢の女性の多くにみられる身近な疾患です。不妊の原因となったり、将来の健康リスクを高めたりする可能性があります。なお、PMOSは2026年5月にPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)から名称変更が国際合意された疾患です。
この記事では、PMOSの主な症状や原因から診断方法、ライフプランに合わせた治療法までを詳しく解説します。食事や運動など、自分でできる対策についても具体的に紹介します。
ご自身の体の状態を正しく理解し、PMOSと上手に付き合っていくための次の一歩が見えてくるはずです。
この記事でわかること
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS/PMOS)の症状・診断・治療法まとめ
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS/PMOS)は生殖年齢の女性の多くにみられる身近な疾患で、不妊の原因となったり将来の健康リスクを高めたりする可能性があります。
主な症状 月経不順・無月経、治りにくいニキビ、体毛の増加や抜け毛、太りやすさの4つのサインと、医療機関を受診する目安がわかります。
診断方法 月経周期の確認、超音波(エコー)検査、血液検査(ホルモン検査)の3つで診断します。
ライフプラン別の治療法 妊娠を希望しない場合と希望する場合で、治療の目的と選択肢が変わります。
自分でできる対策 血糖値のコントロール、適度な運動、バランスの良い食生活、ストレス対策の4つを紹介します。
名称の変更 2026年5月に、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)からPMOS(多内分泌代謝性卵巣症候群)への名称変更が国際的に合意されました。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS/新名称:PMOS)とは排卵が起こりにくくなる疾患

多内分泌代謝性卵巣症候群(PMOS)とは、卵巣の中で卵子がうまく成長できず、排卵が起こりにくくなる内分泌系の疾患です。
通常、卵巣では脳からの指令を受けて、毎月1つだけ卵子が成熟し排卵されます。PMOSでは、ホルモンバランスが乱れることで多くの卵胞(卵子が入った袋)が中途半端に育ち、どれも排卵まで至りません。排卵されなかった小さな卵胞が卵巣の中にたくさん残り小さな袋が集まったように見える状態を「多嚢胞卵巣」と呼びます。
PMOSは生殖年齢にある女性の約8〜13%にみられ、排卵障害が原因の不妊の約8割を占める、身近な疾患の一つです。日本産科婦人科学会の指針においても、早期のライフプランに合わせた治療介入が推奨されています。 (※1)
PMOSの原因は一つではなく、以下の4つの要素が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
| 要因 | 発症への関わり |
|---|---|
| ホルモンバランスの乱れ | 脳から分泌されるホルモンと卵巣ホルモンの連携がうまくいかず、男性ホルモンが過剰になることで排卵が抑制される |
| インスリン抵抗性 | 血糖値を下げる「インスリン」が効きにくくなり、体が過剰に分泌したインスリンが卵巣を刺激して男性ホルモンの産生を促す |
| 遺伝的な要因 | 母親から娘へ、男性ホルモンが増えやすい体質が受け継がれる可能性がある |
| 生活習慣や環境 | 肥満、食事の内容、腸内環境の乱れ、一部の環境化学物質なども発症に関与している可能性がある |
PMOSは月経不順だけでなく、放置すると2型糖尿病や心臓病、子宮体がんなどのリスクを高めることもあります。月経の異常などに気づいた際は、早めに婦人科へ相談しましょう。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS/PMOS)の主な症状

多内分泌代謝性卵巣症候群(PMOS)の症状は、ホルモンバランスの乱れによって引き起こされます。月経の異常だけでなく、肌や体毛、体重など全身に現れるのが特徴です。PMOSが男性ホルモンの増加やインスリン抵抗性などを伴う複雑な内分泌疾患であるためです。症状の現れ方には個人差が大きく、複数の症状が組み合わさって現れます。
代表的な症状は以下の4つです。
①月経不順・無月経が続く ②ニキビや肌荒れが治りにくい ③体毛が濃くなる・抜け毛が増える ④太りやすい・痩せにくい
①月経不順・無月経が続く
月経不順や無月経は、排卵が正常に行われなくなることで生じる代表的な症状です。
PMOSではホルモンバランスが乱れ、卵子の入った袋が中途半端にしか育ちません。その結果、スムーズに排卵が起こらなくなり、以下のような月経トラブルにつながります。
| 月経トラブル | 特徴 |
|---|---|
| 稀発月経 | 月経周期が39日以上と長引く |
| 無月経 | 3か月以上月経がこない |
| 頻発月経 | 月経周期が24日以内と短くなる |
| 不正出血 | 月経以外のタイミングで出血する |
月経が長期間こない状態を放置すると、子宮内膜が厚くなり続けます。将来的に子宮体がんの発症リスクを高めることが指摘されています。月経周期の乱れに気づいた際は、早めに婦人科で相談しましょう。
②ニキビや肌荒れが治りにくい
なかなか治らないニキビや肌荒れは、PMOSによる男性ホルモン(アンドロゲン)の過剰が原因かもしれません。
男性ホルモンには皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌を活発にする作用があります。過剰に分泌された皮脂が毛穴に詰まることでアクネ菌が繁殖し、炎症を起こしてニキビとなります。
特に、あごやフェイスライン、首周りに集中してできる「大人ニキビ」が、PMOSのサインであるケースは少なくありません。
市販のスキンケア用品で対処しても改善が見られない場合、背景にホルモンバランスの乱れが隠れている可能性があります。根本的な改善を目指すには、皮膚科での対症療法と並行して、婦人科でホルモンバランスを整える治療が役立ちます。
③体毛が濃くなる・抜け毛が増える
体毛が濃くなる「多毛症」や、頭髪の抜け毛が増える症状も、過剰な男性ホルモンの影響で現れます。
PMOSの患者さんでは、血中の男性ホルモン値が高くなることがあり、体毛と頭髪に正反対の影響を及ぼします。多毛症では体毛が濃く硬くなる傾向があり、口周り、胸の間、おへその周りから下腹部、背中、太ももの内側などにこれまで気にならなかった毛が生えてくることがあります。
一方で、頭髪に対しては髪の成長を妨げるように作用します。頭頂部や生え際を中心に髪が薄くなる「男性型脱毛症」に似た症状が現れる場合があります。
④太りやすい・痩せにくい
「食事制限や運動をしても痩せにくい」と感じる場合、PMOSの背景にある「インスリン抵抗性」が影響しているかもしれません。
インスリンは、食事で摂取した糖分を細胞に取り込み、エネルギーとして利用するのを助けるホルモンです。インスリン抵抗性の状態になると、インスリンの効きが悪くなります。
体は血糖値を下げようとして、すい臓からさらに多くのインスリンを分泌します。過剰に分泌されたインスリンには体に脂肪を蓄えやすくする働きもあるため、「太りやすく、痩せにくい」状態を招きます。
インスリン抵抗性を放置することは、2型糖尿病や心臓病などの生活習慣病のリスクを高めることにもつながります。そのため、PMOSの治療では体重管理が大切な要素となります。
医療機関を受診する目安(セルフチェック)
ここまで解説した症状のうち、以下のような状態が複数当てはまる場合や、月経の異常が続く場合は、放置せず婦人科などの医療機関を受診することをおすすめします。
- 月経トラブル:月経周期が39日以上あく、または3か月以上月経がこない
- 肌トラブル:思春期を過ぎてもニキビや肌荒れが繰り返し発生し、皮膚科の治療でも改善しにくい
- 毛髪トラブル:口周りや下腹部などの体毛が濃くなる、または頭髪の抜け毛・薄毛が気になる
- 体重トラブル:生活習慣を変えていないのに太りやすい、または食事制限・運動をしても痩せにくい
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS/PMOS)の診断方法

多内分泌代謝性卵巣症候群(PMOS)の診断は、一つの検査だけで決まりません。問診や複数の検査結果を総合的に評価して慎重に行われます。
PMOSの診断の流れは主に以下の3つです。
①月経周期の確認
②超音波(エコー)検査 ③血液検査(ホルモン検査)
①月経周期の確認
月経周期の確認は、PMOS診断の第一歩となる重要な問診です。月経不順はPMOSの代表的な症状の一つであり、診断基準の必須項目だからです。
医師は、あなたの月経の状態について詳しく伺い、排卵が正常に行われているかを確認します。確認される主な内容は以下のとおりです。
- 月経周期が39日以上、または年に数回しかこない
- 3か月以上、月経がきていない
- 月経周期が不規則で、次がいつ来るか予測できない
基礎体温を記録している場合は、診察時に持参すると診断の助けになります。基礎体温のグラフから排卵の有無を推測できるため、より正確な状態把握につながります。気になる症状は、ささいなことでも遠慮なく医師に伝えましょう。
②超音波(エコー)検査
超音波(エコー)検査では、卵巣の状態を直接目で見て確認します。腟の中からプローブという細い器具を挿入する「経腟超音波検査」が一般的で、子宮や卵巣をより鮮明に観察できます。検査に伴う痛みは、一般的に軽度である傾向が多いです。
なお、婦人科の受診や経腟検査に不安や緊張を感じる方は少なくありません。検査時に体に力が入ると痛みを感じやすくなるため、ゆっくりと深呼吸をしてお腹の力を抜くことを意識すると痛みが和らぎやすくなります。また、性交渉の経験がない場合などは、事前にお申し出いただくことで、お腹の上から検査を行う「経腹超音波検査」や、お尻から検査を行う「経直腸超音波検査」など、個々の状況に合わせた中立的な配慮を受けることが可能です。不安な点がある場合は、事前に医療機関の受付や医師へ相談しましょう。
超音波検査では、PMOSに特徴的な「多嚢胞卵巣」という所見がないかをチェックします。排卵されずに卵巣の中に残った小さな卵胞(嚢胞)が、片側の卵巣に10個以上、数珠つなぎのように見える状態です。卵巣の縁に沿って卵胞が並ぶ様子から「ネックレスサイン」と呼ばれることもあります。
超音波検査で多嚢胞卵巣が見つかっても、すぐにPMOSと診断されるわけではありません。健康な方でも同様の所見が見られることがあるため、他の症状や検査結果とあわせて総合的に判断されます。
③血液検査(ホルモン検査)
血液検査では、ホルモンバランスの乱れや、他の病気が隠れていないかを客観的な数値で詳しく調べます。特に、排卵や男性ホルモンに関わるホルモンの値を測定することはPMOSの診断に欠かせません。主にチェックする項目は以下の2つです。
| ホルモン名 | PMOSでの傾向・特徴 | 主な影響・原因 |
|---|---|---|
| 男性ホルモン(アンドロゲン) | 値が高くなる | ニキビ、多毛の原因になる |
| LH(黄体化ホルモン) | 脳下垂体からの指令に乱れが生じ、値が高くなる傾向がある | 本来は排卵を促す。FSH(卵胞刺激ホルモン)とのバランスが崩れる |
PMOSにはいくつかのタイプがあります。特に男性ホルモンが高いタイプは、そうでないタイプに比べてインスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」を伴いやすい傾向です。将来的に妊娠しにくくなる可能性があることも報告されています。(※2)
ホルモン値を詳しく調べることで、PMOSのタイプを把握し、個別化された治療計画の立案に役立ちます。
【ライフプラン別】多嚢胞性卵巣症候群(PCOS/PMOS)の治療法
多内分泌代謝性卵巣症候群(PMOS)の治療は、あなたが「妊娠を望むか、望まないか」というライフプランを尊重して進められます。どのプランを選択するにせよ、治療の土台となるのは食事や運動などの生活習慣の見直しです。
なお、PMOSの治療(薬物療法や生殖補助医療など)は、症状や治療目的によって保険適用となる場合と、自由診療(全額自己負担)となる場合があります。具体的な費用や適用条件は、受診を検討している医療機関へご確認ください。
PMOSの治療法について、「①妊娠を希望しない場合」、「②妊娠を希望する場合」に分けて見ていきましょう。
①妊娠を希望しない場合
妊娠を希望しない場合のPMOSの治療は、乱れた月経周期を整え、将来の健康リスクを減らすことを最優先します。
PMOSで月経が長期間こない状態を放置すると、子宮内膜が厚くなり続け、子宮体がんを発症するリスクが高まることがわかっています。このリスクを避けるため、ホルモン療法によって定期的に月経のような出血を起こし、子宮内膜をリセットします。
男性ホルモンの過剰によって起こるニキビや多毛などの肌症状の改善も、治療の大きな目的の一つです。主な治療法を以下の表にまとめました。
| 治療法 | 期待できる効果・特徴 |
|---|---|
| 生活習慣の改善(食事療法・運動療法) | 体重の5〜10%の減量を目標とする。インスリン抵抗性を改善し、自然な排卵回復を促す。 |
| 低用量経口避妊薬(ピル) | ・排卵を抑制し、ホルモンバランスを安定させる ・定期的な出血(消退出血)を起こし、子宮体がんのリスクを低減する ・男性ホルモンの働きを抑えるタイプの薬は、ニキビや多毛の改善も期待できる |
| 黄体ホルモン療法 | ・黄体ホルモン剤を一定期間服用することで子宮内膜を厚くし、服用中止後に出血(月経)を起こす ・主に月経周期を整える目的で用いられる |
これらの治療は、単に月経不順を解消するだけでなく、長期的な健康を守るための大切なステップです。
②妊娠を希望する場合
妊娠を希望する方のPMOSの治療では、排卵を促して妊娠の可能性を高めることを目標とします。
治療は基本となる生活習慣の改善から始めます。効果を見ながら段階的に薬物療法や外科的治療へとステップアップしていくのが一般的です。
治療のステップは、主に以下の4段階です。
| 治療段階 | 治療方法 | 具体的なアプローチ・薬剤 | 目的・期待される効果 |
|---|---|---|---|
| 生活習慣の改善 | 食事療法・運動療法 | 体重の5〜10%の減量目標 | インスリン抵抗性を改善し、自然な排卵回復を促す。 |
| 排卵誘発(薬物療法) | ・内服薬 ・注射薬 | ・クロミフェン ・レトロゾール ・hMG製剤 | ・脳に働きかけて卵胞の成長を促す。 ・卵巣を直接刺激して排卵を誘発する。 |
| 外科的治療 | 腹腔鏡下卵巣多孔術 | 腹腔鏡を用いて卵巣の表面にレーザーなどで複数の小さな穴を開ける | 薬物療法で効果がない、またはOHSS(卵巣過剰刺激症候群)リスクが高い場合の排卵誘発。 |
| 生殖補助医療(ART) | 高度生殖医療 | ・体外受精(IVF) ・顕微授精(ICSI) | 段階的な治療で妊娠に至らなかった場合の、より高度な不妊治療を行う。 |
どのステップから始めるか、どの治療法を選択するかは、年齢や体の状態、PMOSのタイプによって異なります。焦らず、医師と相談しながら治療を進めていきましょう。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS/PMOS)の改善・対策

多内分泌代謝性卵巣症候群(PMOS)の治療では、薬物療法と並行して生活習慣を見直すことが鍵となります。
PMOSは単なる排卵障害ではありません。糖をエネルギーに変える仕組みの障害や、細胞のダメージ(酸化ストレス)などの体質的な問題が深く関わっています。
具体的な対処方法は以下の4つです。
①血糖値をコントロールする ②適度な運動を習慣化する ③バランスの良い食生活を心がける ④ストレスをためない
①血糖値をコントロールする
血糖値のコントロールは、PMOSの根底にあるインスリンの過剰分泌を抑えるための重要な対策です。
PMOSの女性では、肥満かどうかにかかわらず、内臓脂肪で食事から摂った糖をうまくエネルギーとして使えない「グルコース代謝障害」があることがわかっています。(※3)そのため血糖値が上がりやすく、すい臓は血糖値を下げようとインスリンを過剰に分泌します。
過剰なインスリンが卵巣を刺激し、男性ホルモンの産生を促すことで、排卵を妨げたりニキビを悪化させたりする一因となります。食事では、血糖値の乱高下を避けるために次の3つのポイントを意識しましょう。
| 対策・工夫 | 具体的なアクション | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 食べる順番の工夫 | 食物繊維→タンパク質→炭水化物の順で食べる | 糖質の吸収を緩やかにし、食後の血糖値スパイク(急上昇)を抑える |
| 食べ方の工夫 | 一口30回を目安に噛む | 早食いによる血糖値の急上昇防止や、食べ過ぎの抑制に役立つ |
| 食品の選択 | 低GI(食後血糖値の上昇度が低い)食品を選ぶ | 食品そのものの糖質吸収スピードを遅くし、インスリンの過剰分泌を抑える |
これらのアプローチを日々の食事に組み込み、仕組み化することが、PMOSの症状改善の一助となります。
②適度な運動を習慣化する
適度な運動は、インスリンの効きを良くし、体重を管理するために欠かせません。
運動で筋肉を動かすと、糖が細胞内に取り込まれやすくなり、インスリンの働きを助けます。PMOSの方は体のエネルギー工場ともいえる「ミトコンドリア」の働きにも課題がある可能性が指摘されており、運動による代謝の活性化も期待できます。
特に肥満を伴う場合、現在の体重から5〜10%減量するだけでも、ホルモンバランスが整い、自然な排卵が回復するケースは少なくありません。以下のような有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせましょう。
| 運動の種類 | おすすめの運動の例 | ポイント |
|---|---|---|
| 有酸素運動 | ・ウォーキング ・軽いジョギング ・水泳 | 少し息が弾む程度の強度で、1回30分を週に3〜5日、合計150分を目標にする |
| 筋力トレーニング | ・スクワット ・腕立て伏せ | 筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、糖を消費しやすい体になる |
まずは通勤時に一駅歩く、エレベーターを階段にするなどの生活の中で体を動かす機会を増やすことから始めましょう。
③バランスの良い食生活を心がける
バランスの良い食事は、PMOSの症状管理と長期的な健康維持の土台です。
極端な食事制限はかえってストレスとなり、長続きしません。「主食・主菜・副菜」のそろった食事を基本に、体に必要な栄養素をまんべんなく摂ることが、ホルモンバランスや代謝を整える近道です。
近年の研究では、PMOSを含む女性の生殖器疾患に、細胞がサビつくようにダメージを受ける「酸化ストレス」が関わっている可能性が示されています。(※4)そのため、酸化ストレスから体を守る「抗酸化物質」を意識して摂ることも役立ちます。特に意識して摂りたい栄養素と食品は以下のとおりです。
| 成分 | 対象となる食品の例 |
|---|---|
| ビタミンC | ・パプリカ ・ブロッコリー ・キウイ |
| ビタミンE | ・ナッツ類 ・アボカド |
| ポリフェノール | ・ベリー類 ・大豆製品 ・緑茶 |
| オメガ3脂肪酸 | ・サバ ・イワシ |
加工食品やジャンクフード、甘いお菓子は血糖値を急激に上げやすいため、できるだけ頻度を減らしましょう。
④ストレスをためない
ストレス管理は、ホルモンバランスの乱れを防ぎ、PMOSの症状悪化を食い止めるために欠かせません。
過度な精神的ストレスは、脳からのホルモン分泌の指令を乱し、月経不順や排卵障害を引き起こします。また、ストレスを感じると分泌される「コルチゾール」というホルモンは、インスリンの働きを妨げることもわかっています。
精神的なものだけでなく、体内で発生する活性酸素による「酸化ストレス」も、PMOSの発症や進行に関わる要因の一つと考えられています。日々の生活の中で、心と体の両方からストレスを軽減する以下のような工夫を取り入れましょう。
- 質の良い睡眠をとり、自律神経とホルモンバランスを整えます。
- 趣味や入浴などでリラックスする時間を持ち、ストレスを軽減します。
- 軽い運動を習慣にすることで、インスリンの働きを助け代謝を促します。
悩みを信頼できる家族や友人に話すだけでも、心の負担は軽くなります。専門のカウンセラーに相談するのも良い選択肢です。
まとめ
多内分泌代謝性卵巣症候群(PMOS)は、完治を目指すものではありません。ご自身のライフプランに合わせて症状をコントロールし、長期的に付き合っていくことが大切です。
PMOSは単なる月経不順ではなく、放置すると将来的に2型糖尿病や子宮体がんなどのリスクを高めることが指摘されています。ホルモン療法や生活習慣の見直しで症状を管理し、長期的な健康を守ることが治療のゴールです。
月経不順やニキビ、体重の増加など、気になる症状があれば「いつものことだから」と見過ごさず、まずは婦人科を受診しましょう。一人で悩まず、ご自身の体の状態を正しく知ることが、未来の健康を守る一歩となります。