長引く背中の痛み、「ただの筋肉痛だろう」と自己判断していませんか。背中の痛みの原因は姿勢の問題から内臓の病気まで幅広く、命に関わるサインが隠れていることもあります。
この記事では、背中が痛む原因を「背骨・筋肉」と「内臓の病気」に分け、痛む場所や症状から考えられる病気を解説します。救急車を呼ぶべきサインや、何科を受診すべきかの目安も紹介します。
読み終えるころには、ご自身の痛みが様子を見てよいものか、早めに受診すべきものかを判断しやすくなります。
この記事でわかること
- 背中が痛む主な原因(背骨・筋肉/内臓の病気)と、動かすと痛む・安静でも痛むの見分け方
- 右側・左側・真ん中など、痛む場所別に考えられる病気
- すぐに救急車を呼ぶべきサインと、早めに受診したいサイン
- 症状に合わせた受診先(整形外科・消化器内科・循環器内科など)と相談窓口(♯7119)
- 避けたい対処法と、痛みを繰り返さないための生活習慣
背中の痛みの主な原因は「背骨・筋肉」と「内臓」
背中の痛みの原因は、大きく「背骨や筋肉」に由来するものと、「内臓の病気」によるものの2つに分けられます。
日本整形外科学会も、腰や背中の痛みの原因を「背骨(脊柱)に由来するもの」と「それ以外に由来するもの」に分けています。後者として、血管の病気、尿管結石などの泌尿器の病気、胆のう炎などの消化器の病気が挙げられています。(※1)
ここでは、原因を見極める手がかりとして「動かすと痛むか」「安静にしていても痛むか」の違いを解説します。
動かすと痛む・押すと痛む|背骨や筋肉が原因の可能性
動かすと痛む、押すと痛む背中の痛みは、背骨やその周りの筋肉が原因のことが多いといえます。体をひねる、起き上がるといった動作で痛む、押すと「そこだ」と響くのが特徴です。
安静にしていても痛む|内臓の病気が隠れている可能性
安静にしていても痛みが変わらない場合は、内臓の病気が原因の可能性があります。腰痛の診療ガイドライン(背中から腰の痛みに共通する臨床指標)でも、「時間や活動性に関係のない痛み」は重い病気を疑う危険信号の一つとされています。(※2)
内臓の病気で背中が痛むのは、「関連痛」という現象によるものです。内臓と背中からの痛みの信号は脊髄で合流して脳へ伝わるため、脳が内臓の不調を背中の痛みとして感じることがあります。
次のような症状を伴う場合は、緊急性の高い病気が隠れているサインかもしれません。
| 伴う症状の例 | 考えられる病気(一例) |
|---|---|
| 胸の痛み・息苦しさ・冷や汗 | 心筋梗塞、大動脈解離 など |
| みぞおちの痛み・吐き気・嘔吐 | 急性すい炎、胆石症、胃潰瘍 など |
| 高熱・悪寒・わき腹の痛み | 腎盂腎炎 など |
| 血尿・わき腹の激しい痛み | 尿管結石 など |
背骨や筋肉が原因で起こる背中の痛み
背骨や筋肉が原因で起こる背中の痛みには、主に以下の4つがあります。
①姿勢の悪さ・長時間の同じ姿勢による筋肉の張り
②変形性脊椎症
③椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症
④骨粗鬆症による圧迫骨折
①姿勢の悪さ・長時間の同じ姿勢による筋肉の張り
背中の痛みで多いのが、姿勢の悪さや同じ姿勢を続けることによる筋肉の張りです。デスクワークやスマートフォンで前かがみが続くと、首から背中、肩甲骨まわりの筋肉が常に緊張します。
夕方に背中が重だるくなる、朝の動かし始めに痛むのが特徴です。急に重い物を持ち上げたときの「ぎっくり背中」も、筋肉が原因の痛みです。
②加齢による背骨の変形|変形性脊椎症
変形性脊椎症は、加齢によって背骨が変形する状態です。椎間板が変性し、骨の縁に「骨棘」というトゲができます。
背中の鈍い痛みやこわばりが出ることがある一方、軽い変形では症状が出ないことも多くあります。レントゲンで変形が見つかっても、そのまま痛みの原因とは限りません。
背中や腰の痛みで、画像検査の結果と痛みが一致しないときの考え方は、関連記事「MRIや画像検査で異常なし?」もあわせてご覧ください。
③手足のしびれを伴う|椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症
背中の痛みに手足のしびれを伴う場合は、神経が圧迫されている可能性があります。代表的な病気は次のとおりです。
| 病名 | 特徴 |
|---|---|
| 椎間板ヘルニア | ・椎間板の中身が飛び出して神経を圧迫する ・お尻から足に電気が走るような痛みが出やすい |
| 脊柱管狭窄症 | ・神経の通り道が狭くなる ・歩くと足がしびれ、休むとまた歩ける「間欠跛行」が特徴 |
④骨粗鬆症による圧迫骨折|痛みが出ない場合もある
骨粗鬆症が進むと、くしゃみや尻もちといったささいな動作で背骨が潰れる「圧迫骨折」が起こります。背中と腰の境目あたりに多く、寝返りも打てないほど痛むことがあります。
一方で、痛みがはっきり出ないこともあります。閉経後の女性や高齢の方で「身長が縮んだ」「背中が丸くなった」と感じる場合は、一度整形外科で相談しましょう。
内臓の病気が原因で起こる背中の痛み
背中の痛みの原因となる内臓の病気は、主に以下の5つです。
①心臓・血管の病気
②肺の病気
③消化器の病気
④腎臓・尿路の病気
⑤帯状疱疹
①心臓・血管の病気|狭心症・心筋梗塞・大動脈解離
心臓や血管の病気による背中の痛みは、命に関わる危険なサインです。
狭心症・心筋梗塞は、心臓を養う血管が狭くなったり詰まったりする病気です。痛みは胸だけでなく、左肩や腕、あご、背中に広がることがあります。胸の症状がなく、背中や肩だけが痛むケースもあります。
大動脈解離は、体で最も太い血管の内側の膜が裂ける病気です。胸や背中に、引き裂かれるような激痛が突然起こるのが特徴です。痛みは裂けた部分が広がるとともに移動し、一時的に消えることもあります。(※3)
②肺の病気|気胸・肺血栓塞栓症・胸膜炎
肺の病気による背中の痛みは、息苦しさや呼吸に伴う痛みが目安になります。
気胸は、肺に穴が開いて空気が漏れる状態です。突然の胸や背中の痛みと息苦しさが起こり、10〜30代のやせ形の男性に多いとされています。
肺血栓塞栓症は、足の静脈にできた血の塊が肺の動脈に詰まる病気です。エコノミークラス症候群とも呼ばれ、長時間の移動の後などに突然の息切れが起こります。
胸膜炎では、息を吸うと痛い、咳をすると響くといった鋭い痛みが胸や背中に出ます。
③消化器の病気|胆石症・胆のう炎・急性すい炎・胃十二指腸潰瘍
消化器の病気では、みぞおちや右上腹部の痛みが背中に広がることがあります。
胆石症・胆のう炎は、右の肋骨の下の痛みに加え、右の背中や肩に痛みが響くことがあります。脂っこい食事の後に起こりやすいのが特徴です。
急性すい炎は、大量の飲酒や胆石をきっかけに起こります。みぞおちから背中にかけて強い痛みが続きます。
胃・十二指腸潰瘍は、みぞおちの鈍い痛みが中心です。胃に穴があく「穿孔」を起こすと緊急の処置が必要なため、激痛や黒い便、吐血があればすぐ受診してください。
みぞおちの痛みが続くときに考えられる原因は、関連記事「みぞおちの痛みが続く原因」もあわせてご覧ください。
④腎臓・尿路の病気|尿管結石・腎盂腎炎
腎臓・尿路の病気では、左右どちらか片側の背中から腰にかけて痛みが出やすくなります。
尿管結石は、結石が細い尿管に詰まる病気です。わき腹から背中にかけての激しい痛みが特徴で、冷や汗や吐き気、血尿を伴うこともあります。
腎盂腎炎は、細菌が腎臓まで入り込んで感染を起こす病気です。寒気やふるえを伴う高熱と、背中や腰の痛みが特徴です。重症化することがあるため、早めに受診してください。
⑤発疹前に痛むこともある|帯状疱疹
帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルスが神経の中で再び活動を始める病気です。発疹が出る前に、70〜80%の方が数日から2週間以上、ヒリヒリ・ピリピリとした痛みを感じます。(※4)
左右どちらか一方に帯状に出るのが特徴です。原因のわからない片側のピリピリした痛みが続くときは、皮膚科を受診しましょう。
帯状疱疹の原因や治療、予防について詳しく知りたい方は、関連記事「帯状疱疹とは?」もあわせてご覧ください。
痛む場所別|背中の右側・左側・真ん中の主な原因
痛む場所は、原因を考える手がかりの一つです。ここでは、背中の「右側」「左側」「真ん中・肩甲骨周辺」に分けて、考えられる原因を解説します。
ただし関連痛では臓器から離れた場所が痛むこともあるため、場所だけで判断せず、ほかの症状とあわせて考えてください。

背中の右側が痛むときに考えられる原因
背中の右側の痛みは、筋肉の張りのほか、体の右側にある胆のうや右の腎臓の不調が原因のことがあります。主な原因は下表にまとめました。
| 原因 | 特徴 |
|---|---|
| 胆石症・胆のう炎 | ・脂っこい食事の後に痛む ・右の肩まで痛みが響く |
| 腎盂腎炎・尿管結石 | ・高熱とふるえ、または激しい痛み ・血尿を伴うことがある |
| 肺炎・胸膜炎 | 息を吸うと痛い、咳で響く |
| 筋肉の張り | 体をひねると痛む、押すと痛い |
背中の左側が痛むときに考えられる原因
背中の左側の痛みでは、筋肉の問題に加えて、心臓やすい臓、左の腎臓の病気が隠れていることがあります。主な原因は次のとおりです。
| 原因 | 特徴 |
|---|---|
| 狭心症・心筋梗塞 | ・胸の締め付け感、冷や汗 ・左肩や腕にも痛みが広がる |
| 急性すい炎 | ・みぞおちから背中にかけての強い痛み ・飲酒後に起こりやすい |
| 気胸・胸膜炎 | 息を吸うと痛い、突然の息苦しさや咳をしたときに胸に響く |
| 腎盂腎炎・尿管結石 | 右側と同じ症状が左側に出る |
| 筋肉の張り | 体をひねると痛む、押すと痛い |
背中の真ん中・肩甲骨周辺が痛むときに考えられる原因
背中の真ん中や肩甲骨の間の痛みは、多くが姿勢による筋肉の疲労です。ただし、大動脈解離や急性すい炎、背骨の圧迫骨折が原因のこともあります。
猫背で重だるく痛む場合は筋肉の張りが疑われます。一方、突然の激痛や、安静にしてもズキズキと痛み続ける場合は、早めに医療機関を受診してください。
背中の痛みですぐに救急車を呼ぶべきサイン
背中の痛みに次の症状があるときは、ためらわず救急車を呼ぶ必要があります。総務省消防庁は、救急車を呼んでほしい「胸や背中」の症状として以下の4つを挙げています。(※5)
- 突然の激痛
- 急な息切れ、呼吸困難
- 胸の中央が締め付けられるような痛みが2〜3分続く
- 痛む場所が移動する
ここでは、特に注意したい3つの状況を解説します。
突然の激痛や痛む場所が移動する
突然の激痛や、痛む場所が胸から背中、腰へと移動する場合は、大動脈解離が疑われます。一方で、急性大動脈解離の6%程度は痛みを伴わず、失神で発症することもあると報告されています。(※3)
痛みの強さだけで判断せず、意識が遠のく感じがあれば体を動かさずに救急車を待ってください。
胸の締め付け・冷や汗を伴う
背中の痛みに胸の締め付け感や冷や汗を伴う場合は、心筋梗塞や狭心症が疑われます。締め付けられる痛みが2〜3分続くときは、すぐに119番通報してください。(※5)
高齢の方は自覚症状が出にくい場合もあるため、いつもと様子が違うときは注意が必要です。(※5)
急な息切れや長時間の移動後に痛みが出る
長時間の移動や手術の後に、急な息切れと背中の痛みが出た場合は、肺血栓塞栓症が疑われます。消防庁のマニュアルでも「旅行などの後に痛み出した」ことが、救急車を呼ぶべき症状に挙げられています。(※5)
背中の痛みで早めの受診が必要なサイン
救急車を呼ぶほどではなくても、早めの受診が望ましいサインがあります。腰痛の診療ガイドラインは、背骨の腫瘍・感染・骨折を見逃さないための「危険信号」として、次の項目を挙げています。(※2)
- 発症年齢が20歳未満、または55歳を超えている
- 安静にしていても痛む
- 胸の痛み
- がん、ステロイド治療、HIV感染の既往
- 栄養不良、原因のはっきりしない体重減少
- 広い範囲に及ぶ神経症状
- 発熱
一方で、診療所を受診した腰痛の方のうち、骨折は3.6%、悪性腫瘍は0.2%と報告されています。(※2)過度に不安がらず、以下の3つのサインを受診の判断材料にしてください。
安静にしても改善せず徐々に悪化する
安静にしても痛みが軽くならない、しだいに悪化する場合は、すみやかに受診してください。日本整形外科学会も、こうした痛みを放置しないよう呼びかけています。(※1)夜も痛みが続く場合は、背骨の感染症やがんの転移が隠れていることもあります。
発熱や原因不明の体重減少を伴う
背中の痛みに発熱や、原因のわからない体重減少を伴う場合は、早めに受診しましょう。どちらも腰痛の診療ガイドラインが挙げる危険信号です。(※2)腎盂腎炎や背骨の感染症、悪性腫瘍などが背景にある可能性があります。
足のしびれ・筋力低下・排尿障害を伴う
背中の痛みに足のしびれや力の入りにくさ、尿漏れを伴う場合は、神経が強く圧迫されているサインです。(※1)治療が遅れると後遺症につながるおそれがあるため、すぐに整形外科を受診してください。
足に力が入らない症状について、ほかに考えられる原因や緊急性の高いケースは、関連記事「足に力が入らない主な原因は?」もあわせてご覧ください。
背中が痛いときは何科を受診する?
背中が痛いときの受診先は、痛み方と伴う症状で選ぶのが基本です。ここでは、症状別の診療科と、迷ったときの相談先、受診時に伝えるとよいことを解説します。
我慢できない激痛や意識がもうろうとする場合は、診療科を選ぶより救急車を優先してください。
症状別の受診先の目安は、以下の表のとおりです。
| 主な症状・痛み方 | 受診先の目安 | 考えられる主な病気 |
|---|---|---|
| 我慢できない激痛、意識がもうろうとする、胸の締め付け・冷や汗 | すぐに救急車(119番) | 大動脈解離、心筋梗塞など |
| 動かすと痛む、押すと痛む、手足のしびれ、転倒や尻もちの後に痛む | 整形外科 | 椎間板ヘルニア、圧迫骨折など |
| みぞおちの痛み、吐き気、食欲不振、脂っこい食事や飲酒の後に悪化する | 消化器内科 | 胆石症、急性すい炎など |
| 胸の痛み、動悸、息切れ | 循環器内科 | 狭心症など |
| 高熱、または血尿を伴う | 内科・泌尿器科 | 尿管結石、腎盂腎炎など |
| 体の片側に発疹が出る | 皮膚科 | 帯状疱疹 |
| どこに行けばよいか迷う | ♯7119・救急受診アプリ「Q助」 | ― |
動作時の痛みやしびれがある場合は整形外科
体を動かすと痛む、押すと痛い、手足のしびれがある場合は、整形外科を受診しましょう。整形外科は、骨・関節・筋肉・神経の病気を専門とする診療科です。
転倒や尻もちの後に痛み出した場合も、圧迫骨折の可能性があるため整形外科が目安です。
消化器症状がある場合は消化器内科
背中の痛みに、みぞおちの痛みや吐き気、食欲不振を伴う場合は、消化器内科を受診しましょう。脂っこい食事や飲酒の後に悪化する場合は、胆石症や急性すい炎が疑われます。
皮膚や白目が黄色くなる黄疸や高熱を伴うときは、早めの受診が必要です。
胸痛・動悸を伴う場合は循環器内科
背中の痛みに慢性的な胸の違和感や動悸、軽度の息切れを伴う場合は、循環器内科を受診しましょう。心臓や血管の病気を専門とする診療科です。
なお、突然の激しい息切れや呼吸困難、胸の締め付け感や冷や汗がある場合は、歩行受診(自分で歩いて医療機関に行くこと)を待たずすぐに119番通報(救急車)してください。
判断に迷う場合は♯7119・救急受診アプリ「Q助」を活用する
救急車を呼ぶべきか迷ったときは、公的な相談窓口が役立ちます。
救急安心センター事業(♯7119)では、電話で医師や看護師などに相談でき、緊急性の判断や受診先の案内を受けられます。地域によっては実施していないため、お住まいの自治体で確認しておきましょう。
全国版救急受診アプリ「Q助」は、症状を選ぶと緊急度に応じた対応が表示される、消防庁のアプリです。
受診時は痛みの場所・強さ・経過・伴う症状を伝える
受診時は、痛みの様子を具体的に伝えることが診断の近道になります。メモにまとめておきたい内容は、以下のとおりです。
- いつから痛むか(突然か、徐々にか)
- どこが痛むか(右側・左側・真ん中など)
- どんな痛みか(ズキズキ、ピリピリ、締め付けられるなど)
- 痛みが変わるきっかけ(動作、食後、呼吸など)
- ほかの症状(発熱、吐き気、しびれなど)
- 持病や飲んでいる薬
背中が痛いときに避けたい対処法
背中が痛いときは、良かれと思った対処が症状の悪化や病気の見逃しにつながることがあります。避けたい対処法は、以下の3つです。
①原因不明のまま自己判断で冷やす・温め続ける
②原因不明のまま強いマッサージ・ストレッチをする
③市販の痛み止め・湿布を漫然と使い続ける
①原因不明のまま自己判断で冷やす・温め続ける
「急な痛みは冷やし、慢性痛は温める」と自己判断して対処し続けるのは避けましょう。背中や腰の痛みの温冷療法は、科学的根拠が十分とは言えません。(※2)
姿勢や筋肉の張りが原因とわかっている場合は、入浴などで温めて気持ちよい範囲で和らげるのは問題ありません。しかし、安静時も痛む場合や発熱を伴う場合は内臓疾患や感染症の可能性があるため、温冷ケアで様子を見ずにすぐ医療機関を受診してください。
②原因不明のまま強いマッサージ・ストレッチをする
原因がわからないまま、強いマッサージや無理なストレッチを行うのは避けましょう。痛みの裏に、圧迫骨折や神経の圧迫、大動脈解離などが隠れている可能性があるためです。
強い痛みや手足のしびれ、発熱を伴う場合は、施術を受ける前に医師の診察を受けてください。
③市販の痛み止め・湿布を漫然と使い続ける
市販の痛み止めや湿布は、痛みを一時的に和らげるものです。漫然と使い続けると、副作用が出たり、重い病気の初期症状を見逃したりするおそれがあります。
用法・用量を守り、持病や飲んでいる薬があれば薬剤師に相談してください。効果が不十分なときは使用をやめ、医療機関を受診しましょう。
背中の痛みを繰り返さないための生活習慣
筋肉や姿勢が原因の背中の痛みは、生活習慣を見直すことで繰り返しにくくなります。ここでは、見直したい3つのポイントを解説します。
ただし、痛みが続く場合やこれまでと違う痛みがある場合は、医療機関に相談してください。
デスクワーク時の姿勢・作業環境を整える
デスクワークでは、同じ姿勢を長く続けないことが大切です。椅子に深く腰かけて足裏全体を床につけ、前かがみの姿勢を避けましょう。
ときどき立ち上がって背中を伸ばすと、肩甲骨まわりの筋肉のこわばりを防ぎやすくなります。
安静にしすぎず適度に体を動かす
危険なサインがなければ、安静にしすぎず普段の活動を続けることが回復につながります。腰痛の診療ガイドラインでも、急性の腰痛には安静より活動を続けるほうが有用とされています。(※2)
ウォーキングや入浴後のストレッチを取り入れ、動かすと痛みが強くなる場合は中止してください。
ストレスをため込まず心身の緊張を和らげる
ストレスで体に力が入った状態が続くと、筋肉がこわばり、背中のこりや痛みにつながります。
ぬるめの湯船に浸かる、深呼吸をする、睡眠の時間を確保するなど、緊張をゆるめる時間を意識してつくりましょう。
まとめ|安静にしていても痛むときは早めに受診を
背中の痛みは、多くが姿勢や筋肉の疲労によるものです。一方で、内臓の病気や背骨の重い病気が隠れていることもあり、痛み方と伴う症状で見分けることが大切です。
- 動かすと痛む・押すと痛む:筋肉や背骨が原因のことが多く、整形外科が目安
- 安静にしていても痛む・しだいに悪化する:内臓や背骨の病気の可能性があり、早めの受診を
- 突然の激痛、痛む場所が移動する、急な息切れ:ためらわず119番通報
危険なサインがなければ、同じ姿勢を長く続けない、適度に体を動かすといった見直しが再発予防につながります。背中の痛みが続くときは、自己判断せず早めに医療機関へご相談ください。




